総括 髑髏城の七人鳥お疲れ様でした最高でしたの感想!

 

風もう吹き始めてる!!!!!!!!!(いま9/16日)明日登城します!!!!!!
髑髏城の七人鳥ほんとうにほんとうにおつかれさまでした!!!!!!!!!!
心からサイコーでした!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
 
髑髏城の七人2011のゲキシネから髑髏及び新感線にドボンした私としても、この鳥髑髏は「ついに来てしまった未来VS太一の髑髏城……」という感じで、見るぞ見るぞ俺はゴジラVSガメラを見るんだよ!という気持ちで襟を正しに正して挑んだ次第でありました。まだ月にタイチサオトメを招集されるとは思っていなかったのでッシャ!財布を三途の川に捨之介よ!!カンッ!!ぐらいの気持ちで……消えた諭吉には後悔ないけど、弱いので腰は痛くなりましたね。人は悲しいなあ……三時間座り続けていれば簡単に人は腰痛になる……たぶん月が終わった頃には財布も腰も無界襲撃後みたいになってるぞこれ……。
 
いやーもう、鳥髑髏。まず阿倍サダヲ捨という時点でいったいどうなるんだこれは…?本当に髑髏城か…?と震えたんですが、実際初日登城して幕間でも、同行の髑髏党員と「これ本当に私の知ってる髑髏城?」って震えることになりました。「今回は本当に蘭兵衛さんが天魔倒しちゃうかもしれない」って震えてたよ。
タイチサオトメのオタクと一緒に向かったので、蘭兵衛さん登場手前になると手を握り合ってしまったんですが、もう絶対蘭兵衛さん登場でしょって思ったら歌が始まってオ……オオ……ショーアップ…って思いながらつないだ手を離せなかった。手はそのあとオペラ出すときまで繋いでた。
 
でもねぇ、見れば見るほど「髑髏城」だなあこの作品という感じで、むしろこれまで見えていなかった髑髏城という作品の、素地の部分まで見えてくるような。一見派手でありながら味わい深い髑髏城だったと思います。鳥髑髏。
鳥が始まる前になるしさんが和らげたいといっていた「滅びの美学」がものすごく薄れていたのがほんとうに印象的だったな。
私は滅びの美学ムンムン・悲劇のワカドクロも大好きなんですが、鳥髑髏のスタンスもすごく好ましいと感じました。昔から知った顔の仲間が死んでしまっても、その数秒後にはギャグで笑っちゃうとか、そういうのが鳥髑髏で提示される「生きていく」ってことなんですよね。天も蘭も決して美しく死のうとしなかったのも、そこにつながるからなのかなと。どれだけ辛くても泥に塗れても、誰かを傷つけない正しさを貫く捨之介が圧倒的正義であるということが、きっちり描かれていてよかったなぁと思います。
 
花が天魔王が絶対の悪・捨之介が絶対の善として描かれていたのもあいまって、鳥髑髏の「どちらが善なのか」やや危ういところがある部分も、とてもよかった。もちろん捨之介が善で天魔王が悪なのだけど、捨之介も一歩間違えていたら天魔のようになったかもしれない、と思わせる部分がチラホラと過るところが、すごくすごく良かったなぁ〜と思います。この味は、鳥髑髏にしか出せない味だなと。
 
歌あり踊りありアクションあり!ショーアップの髑髏城!と始まった鳥髑髏でしたが、終わってみるとものすごく泥臭い髑髏城だったなーという思いもあり、ものすごく不思議な後味です。突き抜けた「おーーーもしろかったーーー!」という爽快感もなく、ワカの後の「な、なんかものすごいものを見た…」という重苦しさもなく、でも不思議と清々しい髑髏でした。花を見た時に「入門編として適切すぎる…」と感動したんですが、鳥は確かに入門編としてはちょっとどうかな?と思い、髑髏シリーズの一つというよりも「髑髏城の七人鳥」という独立した芝居として見るべきな一本だったようにも思えます。
とはいえ、主役のキャラ性がこれだけ変わっても「髑髏城」としての面白さをきっちり貫けるんだなあと思うと、改めてこの演目の素晴らしさを思い知らされます。
細かいこと抜きにして語れば「とっても楽しかった」です!ありがとうございました!
 
以下はキャラひとりひとりについて〜
 
 
【捨之介】
サダヲがやる捨!想像はつかないけど良くないわけがない!と思っていましたが、本当に…なんというかピタッとキッチリとこなしていただいてしまった…みたいな感覚です。
終始、ほぼ黒尽くめで、決して身長も大きくなく、またとくべつ華やかな顔立ちというわけでもなく……なのに目が行く。ぱっと見て「あっこの人が主役だな」ってわかる。本当にすごい俳優さんだなぁ……と噛み締めてしまいました。。朧の森もレッツゴーも大好きなのですが、髑髏城に来るとは思っていなかったため、この回るステアラで動くサダヲさんを見れたのは本当に幸甚。

いつも「捨之介」というキャラクタは自分を犠牲にしてしまえる危うさがある人なんですが、今回の捨は、道を少し間違えばふらっと悪に落ちてしまったかもしれないような、そんな危うさまで感じてしまうところがあり、一方で昨今の捨ではやや薄れていたおふざけ要素は強まっていて、こっちの感情がガンガン揺さぶられました。
忍の者としての側面が強化されたことによって、より「地の男」感が出たと思うし、あとですね、今回の捨之介は「捨之介」という単独の人間ではないと思いました。これまでの髑髏城って、捨之介とその仲間たちVS髑髏党って構図だったと思うんですが、今回の鳥髑髏は、捨之介は「仲間のうちの一人」に過ぎなかったと思います。だからこそ、天魔王の眼中にもなかったし、百人斬りは全員で戦って辿りついた。
これまで地に潜み、うつけの振りをしてひとりきりで戦い続けていた「捨之介」が仲間を得て、「七人の中の一人」になるというストーリーが、髑髏城の七人鳥のキモだったのではないかと思います。一人じゃ倒せなかった相手を、みんなでなら倒せるというメッセージ性がことらさに強まっていて、これは鳥にしか出せない色なんじゃないかな〜と。

捨の最後を飾る「柄じゃねえよ」は、元は「柄じゃねえよ」といいつつ満更でもない、みたいなニュアンスを含んでいたのかなぁ…なんて妄想しているんですが、今回の捨は「柄じゃねえよ」がピッタリとハマっていて、これはサダヲさん演じる鳥捨にしかなし得なかったものだと思います。
これだけ異色なキャラ設定ながらも「捨之介」として成立しているあたり、本当に素晴らしいバランス感覚だったなぁ。

・しかし「捨……ひとりぼっちで可哀想に…」という思いを深めていたものの、だんだんと豊洲のステアラが下北のスズナリに変貌していくにつれて「なんやこいつ友だちとめっちゃ楽しそうじゃん」という風に思えてきたところが また お芝居のゆらぎ感あってよかったです(適当)
・天魔の鎧をかぶせられて捨がでてくるシーン。ワカ花は「ヒーッwwwww天魔王デカいwww」って喜んでたんですけど、鳥は「ヒーーッwwwかわいいw」となってしまった。これもまた新鮮な感想。
・初日(だったっけ…もしかしたら7/1かも…)のラストで「秀吉に楯突くやつを信長は許さねえ!」と急に信長巻き込み事故ってたのはメッチャ面白かった。
・捨がけっこう上になったことによってなのか?蘭に大してお兄さんぽい言動が多かったの良かったな―と思いました……。一幕で天魔に惑わされた蘭を庇って、天から引き離してくれるシーンとかものすごくよかったので、収録には間に合ってないのが残念でなりません。


【天魔王】
初日は…初日は日本語しか喋ってなかったんですよ本当なんですよ!!という私の訴えを、初日見た人以外信じてくれなさすぎると話題。バッド…本当にジャパニーズオンリーテンマオーだったんですよ初日は……。

鳥天魔のビックリポイントと言えば、敦盛がないという点かなと思います。天魔王ながら敦盛を舞わないという点にはショックを受けたのですが(めちゃくちゃ見たかった)、見れば見るほど、ああこの天魔は敦盛を舞わないよなぁ……という気持ちになりました。
鳥天魔は歴代の天魔王のなかでも一番面倒くさい天魔王だったと感じます。かずきさんは戯曲で「蘭兵衛しか見えていない」と書いていましたが、それすらも嘘で、天魔王は蘭兵衛のことだって見えていなかった。最初から最後まで鳥天魔が見ていたのは織田信長ただ一人だったのでしょう。
めっちゃ焼き討ちするマン村燃やすマン(??)の織田信長を慕っていた天魔王にとって、晩年の(おそらく)蘭に目をかけてデロ甘になっていき戦国鍋TVのほうの信長みたいになってしまった織田信長は許せなかった。敦盛を舞って「人間五十年夢幻のごとくなり」とか言ってる織田信長のことウワッ…誰…知らない人ですこの人…って目で見てたんじゃないかなと。「百年生きてみんな殺す!!お前らぜ~んぶワシが焼き討ち!」ぐらい言ってほしかったんじゃないかと。

彼からすると、蘭は日和った信長の象徴みたいなものですから、そりゃーもう大嫌いだろうなーと思いますし、そんな大嫌いな蘭を傍に置きたがったのは、単に「信長をダメにした蘭を手に入れたうえで、手ひどく捨ててしまう」ということによって、完璧な「第六天魔王」に近づくための儀式だったのかなーと感じます。本当に蘭のことなんて、嫌い以外の感情は「どうだっていい」に集約されるんでないかなと。
だから、彼が敦盛を舞わないのは至極当たり前のことだと思います。また、無界襲撃の際、ワカでは天魔が言っていた台詞の多くが蘭に差し替わっていたのも、彼の性質を思うと納得がいくんですよね。天魔は家康のことだってどうでもいいんです。家康に執着しているのは、鳥髑髏においては蘭のみ。だから、家康を糾弾・挑発するような台詞の多くが蘭に渡ったことも納得がいきます。
何より「人間五十年 夢幻の如くなり 我ら天に生きるものが作るこの世の悪夢〜」が蘭の台詞になったのが、天魔が晩年の信長を慕っていなかったこと・家康に興味なんてなかったことを表しているんじゃないかと思う。

じゃあ信長に愛されたらオッケーだったのかというと、そういうわけでもなく、万が一可愛がられてたりしたらそれはそれで「えっ…無理…知らない人ですこの人…」ってなった気がするところもまた……め、めんどくさいな~~。
そう考えていくと、天魔が信長に優しくされなかった理由もなぁ……信長、天魔がそういう子って知ってたんじゃないの……知ってて冷たくしてたんじゃないの……という気持ちにもなってきますね……。
本当に面倒くさい男な気がするので、花天魔の潔いデストロイぶりを見習ってほしい。

挙動としてはユーモラスな部分が目立つ天魔王で、どこに本音があるのか分かり辛い部分もあるんですが、彼の本質は織田信長を愛していたというよりも「第六天魔王を信仰していた」に近しいんだと思います。新興宗教めいたことをしていても、織田信長の名前を騙ることはなく「第六天魔王」を名乗り続ける点からも、やっぱり彼が目指していたのは信長そのものではないよなぁ……と思ってしまうのでした。

これは余談ではありますが、ワカドクロにおいては天魔王は「森蘭丸」という人間自体を、天に近づくための仲間として欲しがっていて、対する森蘭丸は天魔王という存在を織田信長の代替として欲しており、天魔王という人間自体は見ていなかったように感じていました。
一方、鳥において蘭兵衛は「天魔王」自体を見ており(ただし蘭が見ていると感じている天魔もまた、彼の本質ではないのだと思いますが…)、対する天魔王は森蘭丸のことを見ていなかった。彼にとって蘭丸という人間はどうだっていいもので、織田信長の愛した森蘭丸、という存在になってようやっとはじめて、見えてくる人間だったような気がします。
奇しくも森山さん早乙女さんという同じ人間がキャスティングされたこの二つの髑髏で、関係性が真逆に入れ替わっているとしたらすごい…すごいな~…とひとりでに感動してしまうとかなんとか。ちゃんちゃん。

・生駒とのラップパートが収録に間に合わなかったのほんと残念だなー!あそこがあるとないとで生駒が殺されちゃったときのええっ…感がだいぶ違うと思います
・相変わらずのヒラッヒラマント捌き。生ミライモリヤマ初めてだったんですが、ものすご~く……動きがなめらか……体重を感じさせない…猫みたい?猫みたいですよね…
・蘭兵衛との最終対決時の、あの…どうなってんのそれみたいな打ち合い…あれだけでも13000円の価値ありましたね……。
・正直好きな挙動が多すぎて書ききれない……結構観たはずなのに「そんなことしてたんだ」と人のレポで気づくことも多いです。最後の最後までブラッシュアップされてたなぁ。

【蘭兵衛】
推し俳優の無界屋蘭兵衛 一億万点!!!!!ヤッター白い!!!
ビジュアルがね…パーペキでしたね。いや、最初公開時はまっしろだったので、まっしろ…まっしろって眩しすぎて直視できないんじゃない?って思ってたら銀混じりになってアア〜〜〜;;;下々の私にもちゃんと見えるお姿に;;;って感動しましたね。
衣装変え多くてすご…推し…リカちゃん人形か…?って感動した。所業を思うとリカちゃんっていうか呪いの人形だけど。
 
いやもう…誤解を恐れずに言うんですけど、今回の無界屋蘭兵衛は完全に「女」でしたよね。
私はあんまり、男性が演じる際の無界屋蘭兵衛というキャラを女だと思ったことはなくて、むしろ男であるがゆえにああなっちゃってる感も感じており、ところが今回の蘭は見れば見るほど「女性」だなーと感じました。
前半が普通にコミュンケーション取れる、それなりに楽しくやってる兄ちゃんぽかったせいもあるのか、口説き後の変貌が際立っていて、そしてあれを「闇落ち」というのはなんだか違うような……。私としては、蘭が落ちた場所は闇ではなく「己のなかの女性」であったように感じています。
別に蘭がトランスジェンダーであったとか、そういう話をしたいわけでもないのでむずかしいのですが……。要するに、鳥の無界屋蘭兵衛は男性が演じる蘭兵衛ながら最もオリジナル(女性の蘭兵衛)に親しい立ち位置なのでは、という風に感じたんですよね。すみません私は初演をドクロBOXの断片的な映像でしか見ていないため(アカは見てます!)これは完全に想像でしかないんですが。
 
そもそも無界屋蘭兵衛というキャラはものすごく女性的なキャラだと思います。いや、もうそりゃ当たり前な話で、大本が女性として設定されてるので。そこは、無界屋蘭兵衛というキャラの根幹として捉えても良い部分ですよね。蘭兵衛は「女性」だからこそ、愛する男のために全てを捨てて転がり落ちていけたわけで。その「情愛」を武士としての意地や、男としてのあこがれなど、さまざまな感情に置き換えながら男性版蘭兵衛というキャラクターは形成されてきた、と私は感じています。
花の蘭兵衛がものすごく興味深かったんですが、彼は「男性」の蘭兵衛なんですよね。おそらく殿に対しての感情というよりも、武士としての生き様を曲げられなかった結果、ああなってしまった蘭兵衛かな、と。この花鳥の差は天魔が蘭を口説く際の台詞にも如実に現れており、花は「本来なら信長を看取るのはあなたの仕事だった」と蘭を問い詰めて落とすのに対し、鳥は「殿がお前とひとつになりたいと言っている」と情を揺さぶって落とすわけです。
「あなたがするはずだった仕事だ」と「あの人がお前と一つになりたがっている」はまったく性質の違う揺さぶり文句であって、各天魔は蘭に一番効く言葉を選んでいるのでしょう。とにかく感情に訴えかけられることによって落ちてしまう。深い情愛が鳥蘭のなかには残されています。理屈でも義務でも敬愛でもない、情愛だと私は感じました。
 
今回の蘭兵衛は口説き後、沙霧に「蘭兵衛さん」と呼ばれても「その男はもういない」とだけかえします。蘭兵衛さん、がはっきりと生きている、というのは今回の鳥蘭においてのファクターです。蘭兵衛も、蘭丸も彼のなかに生きています。だから、蘭丸が無界の女を斬っている時に、蘭兵衛は女の顔を見ないようにと顔をそむけ、無界が燃えれば苦しげに壁に手をついて、耐えるような仕草をするわけです。ただし、これは「二重人格である」ということではありません。なんとも難しいのですが、蘭丸も蘭兵衛も、戦うことなく彼のなかで共存している、というのが正しいのかと思います。
この気味悪い相反が、ビジュアルの怖気立つような美しさと相まって蘭兵衛というキャラクタを彩っていたのが本当に印象的でした。どの蘭も凄まじいですが、今回はほんとうに、凄絶な…蘭だったなぁ……。
 
しかし本当に美しかったけど考えれば考えるほどひで〜男ですごい。なんせ織田信長と無界一の美女二股かけて、美女捨てて死んだ男の髑髏に走ってついでにみんな殺したんですよ。最強の傾城か?立てば姫騎士、座ればサークラ、歩く姿は殺人鬼。無界屋蘭兵衛はおっそろしい男だ……おら尻触っただけで…蹴り入れられただ……。
 
・もうその美しさについて語るのもヤボって感じですよね。は〜めっちゃ美し すご なに食べたらああなるんでしょうか。
・太夫の歌から笛を持った蘭が振り返る流れは、歴代黄泉の笛のなかでもトップクラスに大好きな演出です
・カテコでなぁ……無界の方角を見つつも、ふっと背を向けて髑髏城へ歩いていってしまう蘭が…本当に切ないんですわ……。今回は特に「無界を愛していた」のも事実なんだろうなぁ、と心から感じてしまったぶん……
推しのカテコ爆速帰宅レースが何回も見れるのは髑髏城の七人鳥だけ!!!!(なお月)
 
【沙霧】
ものすごく ものすごくよかった よかったです。
花の沙霧が個人的に大ヒットだったので今回はどうなるかな〜と思っていたのですが、いやいやものすごくよかったです。
花と鳥、どちらも捨と沙霧のバランスが良く、噛み合ってるなぁと感じます。
 
花の沙霧が本能に従うタイプの天才、という空気感だったのに大して、今回の沙霧は純粋に「知恵の働く」賢さを持った天才だったな〜と感じています。そのせいか地を這う捨之介とバディ感が出ていて、捨と沙霧でこの感覚を覚えるのは新鮮だな、と感じました。
好きなシーンはあげたらキリがないんですが、やっぱり御霊の森返しについて捨に説明するシーンの、本当に嬉しそうな「…ありがと」がとても良い。あれを聞いて沙霧を守りたいと思わない人間はいないだろう……。
 
沙霧は髑髏城の七人の、もうひとりの主人公で、それがどれだけ髑髏の形が変わっても揺るがない部分であってほしいなと思っています(月では霧丸くんに姿を変えるようですが…)。沙霧という名前の「沙」はですね、悪いものから良いものだけをより分けて残してくれる、という意味合いがあるんですよ。捨之介から「天」を振り払って、ひとりの捨之介という人間だけを残してくれた彼女にぴったりの、すばらしい名前だなと感じます。
 
最後の「もう、決めたんだ」という言葉の、決意を秘めた瞳!あそこ…すごく頭良さそう…ですよね……。捨のサポートをするってだけじゃない、城を建てるという「自分の夢」を取り戻した瞬間の喜びを感じて、ものすご〜く好きです。
これは花のときも思ったのですが、髑髏城って「大人の思惑・武士の都合」でたくさんの人がめちゃくちゃにかき乱されてしまう話なのですが、そんななか沙霧の「死にたくないし死なせたくない」というシンプルな子どもの主張が、彼女の賢い立ち回りによって大人の世界を破っていく様がものすごい爽快感だと思ってます。
沙霧がいてくれてよかったなぁ、と思うことだらけです。捨之介を頼んだぞ!
 
【兵庫】
正直設定変更のこともあり、かなり不安だったんですが、終わってみれば間違いなくこの兵庫こそが鳥髑髏のMVPであった!という気持ちでいるのでいやーーー本当に転球さん、すごい!
本格出演が初めてとは思えないほど新感線のカラーに馴染んでいて、あとね、こっちの情にガンガン訴えかけてくる芝居ぢからが…強い……。今回はかなり難しい兵庫だったんじゃないかと思いますが、その難しい兵庫をめちゃくちゃに好きになってしまったのは、転球さんのなせる技だと思います。
そういえば、今回は兵庫の年齢があがったことによって、荒武者隊が死ぬシーンの悲劇性が高まったような気がしますね。年を取った人間が残って、若い子が死んでいってしまう、という虚しさがあり、鳥においては捨之介も経験していることです。今回はやや……兵庫と捨之介の関わり合いが薄い髑髏だったとは思うんですが、二人の境遇が重なったおかげか、兵庫が捨之介を助けにいく展開に不思議と違和感を感じませんでした。
無界襲撃のあと極楽に抱かれて泣くシーンは、鳥でも一番グッとくるシーンです。エモーショナルに舞台を動き回ってくださり、本当にありがとうございました!
 
 
【極楽大夫】
ハマらないわけがない!と思っていたんですが、本当にピタッとハマってくれた。
ものすご〜く情が深く、懐が広く、姉御肌というよりもちょっと兄貴肌さえ感じるような極楽だからこそ、無界襲撃で崩れ落ちる里を見て慟哭する様が突き刺さりました。
今回の、かなり特殊な兵庫とのかみ合わせがものすごく良いなあと感じた。この極楽ならハゲてても全然受け入れてくれそうだよね。あと、登場時に「男前は顔じゃないよ心意気さ」と歌っておいて、本当に蘭から兵庫に変えたのスッゴイですね。太夫見る目がありすぎ。
 
極楽も、強かに見えて中身はだいぶ脆いんですよね。
蘭兵衛を追いかけることができず、立ち止まってしまうシーンの悲しさときたら……。そして、その背中を無邪気にも追いかけていく沙霧の朗らかさを思うと、彼女が大人の、分別のつく女性であってしまったがために……という気持ちになります。
「どんなあなたでも愛している」と歌っているころ、もう蘭の中の蘭丸はおそらく心を決めてしまっているんですよね……。考えれば考えるほど悲しくなるのでこの話はやめ!!!脱ぎっぷりが凄まじいせいでいつもヒエッと思いつつ、オペラそっちに向けちゃうみんなこの指とまれーーー!
 
【渡京】
ついに!!!ついに!!粟根さんの!!渡京!!この目でーーー!!!!!うわーーーーーーーー!!!
アオの黒びかりギラギラ感も好きだったんですが、今回の渋みが増した渡京も、たいそう色っぽいものでした……。なんですかあの黒手袋!!!!!狡いと思うんですけどそれ!!!
そろばん出てきた瞬間きたきたきたきたーーー!!わたし!!髑髏城見てる!!!!って思いを噛み締めたの私だけじゃないよね。なんなんだろうあの異様な「髑髏城見てる」感。
 
三五と違って、本能というよりも狡猾さで立ち回っているような渡京ですが、私は本当にどちらも甲乙つけがたくって大好きです。
月でまた見れるのを楽しみにしています。是非、もう一度手袋を!
 
【鴈鉄斎】
いやずるいでしょ。
花見たあとだと、あんなもんだよねってテンションにみんななるでしょ。それであの、豊洲を下北に変える大暴れぶりを見せてくるの、ずるいでしょ。
今回の鴈鉄斎全てがずるいのでずるいとしか申し上げることができません。もう、まずね。面白い。何やっても喋ってもそこにいるだけでも面白い。絶対領域がおもしろい。
 
真面目な話をすると。
今回珍しく捨に協力的ではない鴈鉄斎でしたが、無界を襲撃する天と蘭を見て動揺している様子を見ると、彼自身立ち位置を選ぶのであれば捨之介の側であり、フツーに正義側の心を持つ人なんでしょうね。
今回は特に、捨はひとりぼっちのようにも思えてしまったので、仲良い友人みたく接している鴈鉄斎の存在に心を救われました。
どんなシーンでもガンガンネタをしこむなるし〜さんが、鳥を観てる時の楽しい!という気持ちを加速させてくれました。
捨と対等な立場っていうのも珍しい味付けだったので、またこういうおもしろおじさんコーナーも観てみたいな。
 
【小吉】
後半の暴走ぶりをもう少し早く見たかった…!という気持ちがあります。
最初はちょっとキャラ変更についていけなかったんですが、やっぱり小吉が七人目だとわかるシーンは音楽もあいまってゲキアツですよね。
 
まだ思い出したらいろいろ追記します。
風めっちゃ楽しみなんですけど、むかいりの小顔お蘭兵衛さん見るとなるとオペラグラスだけじゃなくて顕微鏡も必要ですかね。