【総括】髑髏城の七人月~上弦の月~大好きでしたの感想

 

おわって……しまった…………
 
花鳥風月を駆け抜けきったせいだとは思うのですが、かつてない喪失感に襲われててヤバい……今でも半分「週末豊洲で月見るか~」って思ってるので、やってないんですよもうってことを認識するたびにショック受けてしまう……。ローチケでもう戻りチケが買えないなんて……嘘じゃん……
 
記憶を遡ると、月髑髏との思い出は8月末。
財布を炎上させた鳥髑髏上演のさなか、なかなか発表されないキャストにやきもきしつつも、正直もうあとは財布大炎上はないだろうと。風も月も数回ずつ行ければいいだろうと思い込んでいました。だってもう鳥に推し出たし……鳥の推しめちゃくちゃサイコーだったから味わいつくした気分だったし……。完全に気を抜いて「ハ~三浦春馬捨がきたら財布を捨之介かもしれんなァ~~~!!」などと余裕をぶっこいていたんですよ。ぶっこぎすぎだわアホか。
周知の事実だと思いますが、推しとは早乙女太一その人を指します。もうこの先の展開が読めるな!
 
というわけで、ある朝起きたらめちゃくちゃ名前呼ばれていた。もう全て察した。
あーーーーーー…… 
ああ…………
推し……豊洲荒野に呼び戻されてしまったか……ええどうすんの蘭兵衛二連続てア!!??天魔王!!!!!!!!!??????
 
二回蘭兵衛をやった推しの天魔王が来る。その時のおたくの気持ちわかりますか?
さすがに輪廻転生に失敗しすぎだろあと三回捨之介やったとしてもその業浄化しきれないよって思いましたね。私は。浄化どころか悪化だよオロロロ。
 
他の要素も強すぎてね。
ダブルキャスト!?え!?宮野真守!?ガンダムぶりだね!福士そ~た!?フォーゼぶりだね!ヤバい…あとキャスト全然わかんないぞ(不勉強ですみませんでした)…鈴木さんはわかる、確か君だけはおらんの人だったよね……(知識が古い)みたいな……。
ホントにこれ新感線か?髑髏城か?わたし実はいま熱を出していて、そのさなかで観ている夢なんじゃないか?と自分で自分を疑っていたので、極楽と狸穴のキャスト見てあっやっぱこれ現実の告知だ…ってちょっとだけ冷静になった。
 
それで、沙霧⇒霧丸の変更告知ね。正直これが一番ショックでね。
沙霧がめちゃくちゃ好きで、捨之介と沙霧が男と女でありながら絆を築くさまが大好きだったので、そこを変更されてしまうというのは本当に…正直ショックでね…なんで蘭兵衛さんチャンネーに戻してくれなかったんですか!?も相まって(男蘭本命勢ではあるけど一回ぐらいはチャンネーのほうの蘭見たかった…)すごいふてくされてたんですよね。
 
しかもその日、月告知の当日。鳥のソワレ入れてたんですよ。
日中は頭がめちゃくちゃ殴られたあとみたいにボワボワしてたし(ホワホワとかいうかわいいものではない)(なんならその日は飯が喉通らなかった)(神経過敏で一日体が興奮状態になってて、目が血走ってた)、このテンションで鳥見るの…?私今から…豊洲へ…?冬から天魔王になる推しが天魔王に夢見酒流し込まれてるとこ見るの……???ってふるえてたんですよ。
見終わったあと、もう鳥髑髏への感動はもちろん推しに対する「がんばれ…いや私がそんなこと言わなくたって推しはすごく頑張るだろうしやり遂げるだろう…でもがんばれ…」って気持ちで泣きながら拍手したことを覚えている。
そんなこともあった…あったね…。
 
月は全体的に不安要素が大きくて(初新感線勢があまりにも多い・基本的にその前のseasonが稽古期間になるが月の前の風は公演数50弱で他の髑髏より圧倒的に少なかった=稽古時間少なかった・おまけにダブルキャスト・そこに投入されるいのうえさん一月に近松の演出もやるよ告知エトセトラ……)そのなかでも「まぁ下弦は(私はよくは存じ上げない方が多いんだけど…)多分大丈夫でしょ!!!」と思ってたんですけど、上弦…上弦正直推しも含めて不安要素しかないわな!!!もう舞台の幕上がったら御の字かもしれん!!ぐらいの気持ちで初日行ったの覚えていて。
初日も今だから言えるんですけどぶっちゃけ……だいぶヤバかったと思う……。まぁ髑髏の初日付近、わりとどれもハラハラしたんですけど…(風も普通にハラハラだったし、新感線常連役者チャンピオン祭りの鳥ですら不穏だった)覚悟してたよりは形になってた…まあよかった…みたいな感じだったんですけど、そのあと下弦見たらひっくり返ってしまった。
 
めっちゃ完成してる~~!!!
 
ひっくり返るわ!!びっくりした教科書みたいな髑髏城やってて!!
そのころ上弦天魔王はやれ二人目三人目としょっちゅう人格変えてるし、とんでもない荒野に来てしまったと思った。
ネガティブな思い出つらつら語っちゃってるけど、上弦の月大好きオタクの話だから安心して読んでて(?)大丈夫ですよ!!!!
 
最後まで、上弦が完成度高かったかと言われると肯定はできないんですよね。
花鳥風月ほんとにレベル高くて、ここまで安定した役者のきっちりしたお芝居が多かったので、それらに比べると月髑髏というか上弦に綻びが多かったのは事実だった。上弦オタクの私だけど、そう思っています。
 
でも私が髑髏城の七人という演目に求めてるのって「よくできていること」ではないんですよね。
あのね、わたしはね、よくできていることを求めるのなら髑髏城以外の演目に執着するよ!!笑 いのうえ歌舞伎でくくっても、髑髏城以外に選択肢あるもん!よくできていること、を基準にするなら本当に、他にあるんだよね!!??
それでも髑髏城の七人に特別な執着を覚えてしまうのは、私が髑髏城の七人という物語を、内包するいびつさも含めたうえで大好きでいるからなんですよ。荒唐無稽でもいいし、あらが見えていたって、完璧じゃなくたっていい。とんでもないエネルギーに胸を刺し貫かれる瞬間があれば、それでよかったんだ。
 
だから私は、上弦髑髏のことがものすごく好きでした。
こんなに好きになるなんて思ってなかったなぁ。推しは出てるけど、合わなかったら回数は落とそうと思ってた。のが、結局鳥と同じぐらいの回数は行ってしまった。上弦という物語と、上弦の世界に生きている彼らのことがすごく愛しかった。多く見た分の愛着があるといえば、それも否定できないのだけど……こんなに全員抱きしめたいと思ってしまった髑髏城は初めてだった。
 
若いキャストも多くて、がむしゃらにもがくようなイメージが強かったのが好みだったのかもしれない。顔が綺麗すぎて若すぎて、序盤物足りないなあと思っていたのが嘘のように、後半は熱量のぶつけあいになってて泥くさくって、捨之介はシュッとした大型犬から制御つかない子犬になるし、頭のわるい感想だけどエモーショナルだったな。ほんと。エモ髑髏だったよ上弦。
 
鳥のときもなかなかロスだった記憶があるけど、上弦はほんと終了後の喪失感がすごかった。もっと見ていたかったな、と今でも思う。あともう少しやっていたら、きっとそこにはまた違う上弦の月があったと思うので。あのお芝居をもう一度見たい、ではないんですよね。あのカンパニーの作り上げる「髑髏城の七人月 上弦の月」という、また違うお芝居を今週も来週も豊洲へ観に出かけたかった。
 
完全無欠の、見やすくってわかりやすくってきれいなお月さまではなかったけど。
ゆえに、その凸凹さと時折飛んでくる鋭い一撃が強烈で、大好きになってしまった髑髏城でした。
ありがとう月髑髏。いくらオタクがロスでしんどがっているからといって、season会社とかseason死神にホイホイ転生するのはやめてください。
 
■捨之介
恐ろしい男だった……。
 
途中から「やばい研音にごめんなさいしないと」「福士捨取り上げられたら困る」「もうちょっとだけ見逃しててほしい」と焦ってたんだけど、後半になって完全に「遊び」を覚えてしまった姿、完全にモンスターだった。贋鉄斎ルーム「え!?遊ぶ!?遊んでくれるの!?わーい!」って庭を駆け回るワンコだったもんな。後半は研音早くこいつもっていって」「里に返して」「手遅れになる前に持って帰って!!!」って祈ったもん。
 
贋鉄斎ルームでのアドリブ……なんだったんだあれは…。いやその話どうでもいいかもしれないけど、先にしておかないと心の整理がつかない。最初は「!福士くんもこういうことするんだ…」とか「わ〜仲良しかわいい〜…」みたいなほのぼのテンションで見てたんだけど、だんだん福士くんに自我(?)が芽生えはじめて大暴れしはじめたから、なに?こういう形の奇跡の人?チ……チク…チクビ……乳首!!!!ってこと!!!???ってぐらい、あそこから福士捨、瞳にハイライトが入ってしまった……(最初から入ってたよ)。
 
千穐楽での贋鉄斎ルームでも暴れぶりは本当にすごくて、何回「いやもう帰れよ」「さすがに帰ってくれよ」「研音なんとかしてよォ!」「福士くんほんとしんぺーさんに一生足向けて寝られないからね!!!???」って思ったかわかんないし、思ったんだけど、思いながら私は「そうだよねえ…終わりたくないよねえ;;;;」って半泣きになってたのでもうダメだった。
 
手遅れになるギリギリ手前で研音にお返しできてよかったぁ……。
いやもう手遅れな気がするけど。
 
福士捨じゃなかったら許されないからな!!って思いながらも全部許してしまったのでソータフクシほんと恐ろしい男だったよ。千穐楽で感極まったんだろうけど最後の七人シルエット出しで動いた捨之介とかはじめて見たし、マジで!?って思ったけど、ソータフクシだからもういいよwwwって思いましたからね。この話したら髑髏城オタク友達に「福士くん髑髏城のことワンピースだと思ってない?」って言われたけど私もそう思う。今よりもっと強くなって、またグランドラインで会おうな。
 
福士捨。福士捨ね……。
まじめな話をしたいんですが。そのためには、あんまりマイナスなことを書きたくはないんだけど、書かないことにはこの三ヶ月との折り合いがつかなくって。なので、本音書きますね。
 
こんなに好きになれるとは思ってなかったよ!!!!!!!!!!!!!!!!!
 
申し訳ないけど初日は、なに言ってるのかあんまりわからないし舞台に…が、頑張って立っているな…という印象が強くて、捨之介をやるには若すぎるとも感じたし(それは彼のせいではないのだけど…)、とにかく見ててハラハラしてしまった。そのハラハラはだいぶ長いこと続いたし、まわりがだんだんと福士捨良いよ!と声をあげるのを見ていても、わたしはピンと来てなかったんですよね。悪いとはいわないけど、福士捨じゃなきゃいけない意味ってなんだろう?彼の何が、特別に良いと感じられるんだろう?
 
その考えがやや動きはじめたのが1月後半あたり。
ちょうど贋鉄斎とふざけはじめたあたりかな。イマイチなように思えていた二幕が良くなってきて、後半の踏ん張りぶりが好ましく感じられるようになってきた。なるほどな。これまでの捨之介と比べると、行動の説得力自体はどうしても薄れてしまうけど、天魔王を止めたいと願いながらも追い詰め殺めてしまう捨之介と考えると、福士捨の意味合いが見えるな。って感じるようになった。
 
それで、終わるころにはもう、完全に好きになっていましたね。
前楽がねーーとんだ事故回だったんですけど、でも事故部分を除くと私の一番好きな福士捨だったんです。懸命で必死で、でもちょっと天然で、とぼけてて、ああこの捨之介は自分のことを「理解していない」んだなと感じた。
 
多くの捨之介は、自分の痛みや傷から目をそらして「痛くない」「傷なんてない」と言い張るやつらだと思うのだけど、福士捨は本当に自分の傷が見えていないんですよね。痛くないよ!傷なんてないよ!って本気で思ってる。だから他人の傷にも気づかない。天魔のことも蘭のことも理解できないで終わってしまう。
 
だからこそ、最後の最後で追い詰められて、地獄を見て、はじめて天と蘭の見ていた世界を理解する姿が良かったなぁ。
顔を歪めてぐちゃぐちゃになりながら戦う姿が、今はじめて地獄に落ちた、純粋で汚れのない男の姿だった。福士捨は穢れがなさすぎて、純粋すぎて、心の汚い私はね……ちょっと苦手だとさえ感じたんだけれども、後期は純粋すぎるがゆえ手酷い目にあってしまうんだなと納得いったので、その純粋さごと好きになってしまったんです。
 
あと、誤解を恐れずいうと、顔が…良かった……。
別に私としては、顔が良いってあんまり加点要素じゃないんですよね。テレビはともかく舞台で顔が良いって、いやまぁ確かに良いと「良いなあ」とは思うけど、それ自体と芝居への評価ってあんまり関係ないしな〜みたいな(風蘭出てきた瞬間顔が小さくて綺麗だったのでもうなんでもよくなっちゃったことはノーカン)……。
 
でも福士捨は、顔が良いのがすごい効いた瞬間があった。笑顔の説得力がすごいの。ひとつ笑うだけで、こいつは〜〜この笑顔だけで世界に甘やかされて生きてきたな〜〜!?って思っちゃう。そりゃこんな笑顔で生きてきたら甘っちょろい理想を信じてしまうし、手を伸ばせば人を救えると思い込んじゃうわ!!!だってこの笑顔お出しされて優しく見守らないの無理じゃん!!???
でも二幕のかつらは、毛量多すぎなかった?????せっかくの顔が見えないシーンわりと多くてちょっと笑っちゃったよ。
 
なので、なので。
わたしの最終的な「上弦が好き」という気持ちは、捨之介が福士くんであることによって完成した「好き」だと思います。やっぱり髑髏城の七人は捨之介の物語なので、福士くんの捨じゃないとできないことがあってはじめて、新しい髑髏城として根を下ろせるんじゃないかと……捨之介研究会万年平部員の私は思う。
 
従来の捨之介と考えるとやっぱり外れてきちゃうんだけど、捨之介が若くで仲間たちと離別していた世界の髑髏城、と考えると、十分にありえたしこういう捨之介もいたと思う。私は捨之介のことをかっこいい!よりも愛しい…の目で見てしまうタイプのオタクなので、その……わりと……刺さりましたね……福士捨……。本当に最後の最後で刺さったので、もっと見たかった…もっと福士捨を「ああ…好きだ…」という強い気持ちで見ていたかった…。上弦を見ていたかった、という気持ちの大多数は「福士捨をもう少し見たかった」だなぁ。
 
発表時に抱いた不安はすべて拭われたわけではなく、むしろ公演途中にいきなり暴れはじめて混乱したりもしたけど、上弦髑髏の捨之介が福士くんで良かったなあ。と、心から思えたことがほんとに嬉しいよ。捨之介を見ていて泣いてしまったのも、私にとっては久しぶりのことだった。福士捨良かったよ、というか、なんだろうな、好きだな。愛しかったな。
 
でもほんとにあのアドリブ、しんぺーさん以外はあんまり受け止めてくれないと思うのであんまりホイホイ覚醒はしないでくれよな!!!!!ほんと!!!人生であんなに福士ボイスで「乳首」って聞くこともうないし、なくていいから!!!
 
■天魔王
 
推しに盲目すぎるのってどうなのとか思うんですけど、でも推しは最高だしオタクが推しに対して盲目にならないでどうすんの!?私が盲目に為らなくて誰が盲目になるの!?という思いがあるので、目を抉りながらいまこの文章を打っている。目を抉らなければ「盲目になるのはちょっと」と語る自分から逃げられない…目を抉れば推しが見えない…(実写映画版 BLEACH よろしくお願いします!)
 
抉った目を嵌め直すんですけど。
はじまる前はずーっと胃が痛くて。だって、わたしは太一さんのオタクだけど髑髏城のオタクでもあるわけで、鳥髑髏にもそれなりに通ってたんですよ。だからわかるんですよね。太一さんが天魔王をやるってそれ、どうしたって未來天魔って比較されることだってぐらい。
その気がなくたって、捨天別の天魔を見る時、未來さんが脳裏をよぎらない髑髏党員はそうそういないんではないかと思う。捨や蘭とちがって、天魔王という人間は捨之介から切り離されることによってひとりのキャラとして生まれ直した、いわば森山未來初演の人物」と呼んでも差し支えがない存在だと思うんですよ。だから、あれと比べられてしまうのかなと、何より、私のなかでもあれと比べてしまうんだろうなと思うと胃が痛かった。
 
まわりのメンツがあまり、私は存じ上げない方々だったこととか、客演では数人しかいない新感線経験勢でもう半分劇団員扱いだとか、環境面での不安も大きくて、だって私は推しを信頼してるけど推しだってまだ26歳で初役の天魔王なんですよ!?みんな忘れてるかもしれないけど、上弦天魔王は歴代最年少天魔王だからね!!!!???※すっかり捕捉を失念してたけど、一人一役天魔で〜という意味で…
 
だからね……初日はね辛かったよ。
あの初日の天魔王がなんだったのか、私には未だに検討がつかない(後半のそれと比べてもあまりにかけ離れていたので)けど、舞台の上には未來さんがいたんですよね。あの日、あそこには推しの顔と体を持った未來さんがいた。完全に未來さんだったわけではないけど、でも、あちこちで強烈な未來さんを感じる瞬間があって、そのたびに胃がきゅっと縮こまった。もちろんこのまま行くわけはないと思ったし、あそこで、あの初日が強烈な未來さんだったことも何らかの意図があったのかもしれないけど、それでもあの瞬間だけはやっぱり辛かった。
 
だから次にみたとき、ぜんぜん違う人になってるの見て脱力してしまいましたね。出たよ出た!はい!いつものやつ!!はいはいはいはいはい!!いやいつものやつって言ってもさすがにそれは嘘!!ここまでのは初めてだったよ!!あの瞬間私は早乙女太一というジェットコースターに拘束されて、じゃあ行ってみようかこの世の地獄極楽豊洲巡り…と送り出されてしまったんですよね。もうここまで(?)きたら、どこまで行くのか絶対見届けてやるという気持ちになりました。
 
そしたらも〜変わるわ変わるわ。3人目だの4人目だの、最終的に7人ぐらいになって全員並んでシルエットドーン!とかすんのかな?とか思ってた。最後のほうわからないけど、多分シルエットドーンやれるぐらいいましたよね。上弦天魔王。
 
私には推しの考えや人間性はわからないし、それをわかったように言うようなこともしたくはないので、あれだけコロコロ変わっていた理由は本人が言わない限りはわからないですけど。いろいろなパターンが提示されるなかで、何をやりたいのかな、この人は何を表現したいのかな、と考えていくのは楽しかった。お芝居の楽しみ方としてちょっとズレてることはわかってるんですけどね。
 
最終的に天魔王のことを理解できたのかというと、あんまり自信はないんですけど。
やっぱり、彼はただ寂しくて、ただ殿を愛していただけなんだと思うなぁ。他の天魔に比べて元が残虐だったイメージも、あんまりないな(勿論それなりに残虐性は持ってるんだけど)。ただ愛していて、ただ寂しいだけで人は狂えるんだ、というのを見せられた気がする。本来そのテーマって髑髏城のなかでは蘭兵衛が持っていたものなんですけど、今回は蘭兵衛も「愛に狂う」というよりは「過去に縋ってしまう」のほうが近しい気がしたので、より天魔王がそうであるように見えたな。
 
「偽物だって人の命を救える」と諭されて「いうな」と叫ぶときの天魔王がとても好きなんですよ。
わかってたんだもん。自分が偽物だって。あのひとになり変われることなんてないって。それでも、そうしないといけなかった。自分が偽物であろうとなんだろうと、愛した人の姿に寄り添っていなければ、愛した人はこの世から本当になくなってしまう。だから「違う」でも「何がわかる」でもなくて、あの時の言葉は「いうな」なんだろうな、と感じる。捨之介は自分のほんとうの姿を知っている男だから、捨之介が「天魔王自身が天に届かないと理解していること」を理解しているの、天魔はわかってしまっている。
 
上弦の天魔王にとって捨之介とは、眩くて直視できない光だったのだと思います。
上弦の捨之介と蘭兵衛って、めちゃくちゃ天然なんですよね。他のシーズンの捨蘭とくらべてもすごく天然で、自分のあるがまま気ままに生きてるタイプのひとたち。そして、そういう飾らないところを信長に愛されてきたのではないか、と思う。そう考えていくと、上弦の天魔という自分を必要以上に飾り立てる存在がとても苦しい。捨蘭のようには生きられないし、ゆえに殿には愛されなかったのではないかなと。そして、本人もそれをわかっていたんじゃないかなと。
 
だからね、殺すしかなかったんだと思うよ。
あなたを殺してわたしも死ぬーー!!!!うわーーん!!だったんだと思うよ。豊洲サスペンス劇場だったんだよ。本能寺という名のいつもの崖で、本妻持ち男に包丁持って迫ったんだよ。
そしたら本妻持ち男(殿だよ)は「生きろ」って言うわけ。「蘭丸に生きろって伝えろ」って。間接的にそれ、天魔にも死ぬなって言ったってことだからね!!!??「死ぬな」とは言われないのに死ぬことを許されなくなってしまった天魔王、従うしかないんだよ!!!だって愛してるんだもん!!!!
 
天魔王は悪いやつなので、許されないことをいっぱいしているので、だから彼は死ぬべき人物で、成敗されるべき悪役なんですよね。でもどうしても愛しいし、ふかふかのものでくるみたいし、粉ミルク飲ませたあとにげっぷさせてあげたい。上弦贋鉄斎に預けたらちゃんと面倒見てくれそうだけどどうだろうか?贋鉄斎ルームに捨之介と放り込んだら、いっしょにおかあさんといっしょを見るところから情操教育ができるかもしれない……。
 
最初は、宮野捨相手でも見てみたかったなーとかぼんやり思ってたんですけど、この天魔絶対宮野捨には出せないよね。この天魔だったら、宮野捨、霧丸を振り切ってでも追いかけて一緒に死んじゃったよね。天魔王と一緒に飛び降りて「天魔王……お前はどこに落ちたい……?」みたいになってたからね。よかったねサイボーグ009城の七人にならなくて。
 
上弦天魔王はね、奇妙で愛しいやつで、太一さんにしか作り上げられなかったものだと思います。
太一さんの動きってものすごく予想がつかなくって、野生動物のビデオ見てるみたいな気持ちになるんですよね。普通こう動くだろ!って思ってる動線・リズムを無視した動きするから、何回も見ている芝居でも「えっ!?」「あ!?」と戦いてしまう。よく殺陣が取りざたされるんですけど、私はむしろなんでもないようなシーンにこそ太一さんの凄まじさが出ると思っている。
 
たとえば盃を受け取るために指先を動かす瞬間であるとか、ただ短い距離を歩くために足を運ぶ瞬間であるとか、そういう何気ない仕草ひとつひとつが歪で、こわいんですよ。ただそこにいるだけのほうが天魔王は怖かったかもしれない、というぐらい。冒頭の六欲天ダンスもそうなんだけど、本当に自分の身体の見せ方がうまいひとだと、改めて感じました。天魔王は鎧着てるシーンも多かったのだけど、面を見せずに動いているシーンでも太一さんだということが一発でわかる。鎧を着込んで立っているだけで、そのなかに早乙女太一の存在を感じることができる。これはそうそうできることではないと思うし、私が太一さんにおいてもっとも凄いと感じる部分なんですよね。
 
太一さんを好きになってから、ちいさなことだろうと裏切られたようなことはないけど、やっぱり信じれば信じたぶんを返してくれる役者さんだと思ったし、これからも追いつける限りは見ていたいなと思った。早乙女太一の生まれてきたこの世界に生まれてきてよかった……大地に…神に感謝……
 
そんな感じです。なんもまとまってないな。とにかく推しを信じれば救われるという話でした。ご清聴ありがとうございました。
 
 
■蘭兵衛
 
初日見たとき「鉄パイプで窓ガラス割ってまわってたから後ろから頭をかち割られてクソーーッ!!って言いながら絶命した蘭だった」という感想を述べていたのですが、最後の最後まで人の情緒をぶち破って叩き割って回っていった蘭だった。
 
あのほんともうしわけないけど、見る前は「三浦翔平……?少女漫画原作常連のひとでは…?髑髏…?なぜ……舞台実質初めて状態?だ、大丈夫なのか……?」と不安を抱いていたのですが、最近ではみう蘭をキメたことによって日常にハリが出て生活がイキイキするようになりました。これもみう蘭のおかげです。本当にありがとうございました!
 
単純にオラオラの蘭が好きだったのは、普通にありますよね。めっちゃあります。
上弦書き下ろしの、蘭登場セリフ大好きなんですけど「無界の里には境はねえ この世とあの世の境もな」って上弦だけ無界が死ぬほど物騒になってるの何回思い出しても笑っちゃう。なんで上弦だけ……そんなスラムに……
 
これこそ「良いか悪いかではなく好きだった」の極地で、とにかく「私の好きな蘭兵衛」だった……。
下弦蘭が初見のかたにすごく優しくわかりやすい、スタンダート寄り?蘭兵衛だったのに対して、こっちは蘭兵衛オタクもけっこう驚くような変化球で来たんですよね。下手したら蘭兵衛として成立しないんじゃないの!?ってレベル。それでも成立して、私を含め周囲の蘭兵衛オタクの心をひたすらぶち抜きまくっていったのは、ひとえに三浦さんの調整力によるものだと思う。
 
なんていうか…めちゃくちゃ…頭が良いなと思ったんですよね。
太一さんから演技そのものではなく、所作だけ取り入れていくところとか、回を重ねるごとに派手ではないけどこまやかな変化を入れて、情報を整理していたところとか。わたしはいのうえさんの演出のことを「足し引きがうまい演出」だと思っているんですけど(や、演出ってどれも足し引きがうまくないと成り立たないんですけど、いのうえさんは特に)、三浦さんもまた、足し引きがうまい人だと感じた。
 
上弦、捨と天がお芝居のプランとしてやりたい放題というか、その場で動く場面も多いひとたちだったので……三浦さんは他人のプランに合わせて蘭を動かしているような印象がありました。もちろん、ご自身のプランもあったとは思うけど。
あれだけ蘭兵衛としてはバランスの悪い方向に振っておいて「バランスが悪い」とはあまり感じさせなかった。ちいさな所作の足し引き、セリフの節回しの変化がおもしろかったです。
 
ただね、楽付近のあれはなんだったの!!!????wwwwwwwwwww
最後の最後でいきなりプランを変えてきたみう蘭に脳を殴られて、楽の休憩時間一発目で「ていうか!みうらん!今日やばくないですか!!!???」って言っちゃいましたよね。これ絶対二幕で殺されるやつだって思ってきれいに二幕で死んだ。
千穐楽に気持ちの良い死をありがとーーっ!!!みうらーーん!!
 
いやね、おそらくなんですけど、最後のほうで捨天がどんどんエモに振り始めたので蘭も合わせたんじゃないかなというのが、私の感じたことなんですけど……多分中盤蘭のままでいったら一人だけシラフで宴会にきちゃった人みたいになるから……。でも真相は三浦さんのみぞ知るなのだ…いつか教えてほしいよぉ…あれはなんだったんだよとは思わないけど、なんであのタイミングでェ〜〜!とは思うよォ〜〜。
 
楽付近で急にね、無界の女たちを斬るとき苦しみをあらわすようになってね。鳥蘭のオタクだから心臓を抑えて呻いたんだけど、じゃあ彼が鳥蘭だったかというとそれは違う話なんですよね。
 
以下、本当にわたしの妄想でしかないのだけど。
鳥蘭は、自分のなかに「無界を愛する蘭兵衛」と「破壊を愛する蘭丸」がいて、その両者どちらも思いが強くって葛藤している。でも、その「葛藤」こそが彼の望んだことなんですよ。彼はその激しい葛藤を経てなお、「破壊を愛する蘭丸」を選び取る必要性がある。無界を愛すれば愛するほど、それを投げ捨てられるほどの愛を己のなかに取り戻せる。「選ぶ」ためにその選択肢どちらも選び難い、重たいものまで育てあげる。そういう儀式めいたものなんだと思います。
 
みう蘭は、選ばなくていいなら選びたくなかったんじゃないかな、と思う。彼は殿のことを愛していたかというと、ちょっと違うような気もしていて…愛してはいるんだけど、それは鳥蘭のような激しい愛ではなかった気がする。彼は殿と、殿が与えてくれた過去、昔というもっと大きな範囲のものに囚われていて、そこへ「帰りたい」という気持ちが捨てきれなかった。
でも、助けてくれた無界に、太夫に恩義を感じていた時間も確かで重たいものだった。蘭丸に戻って、もう無界への執着は不要なものなのに捨てられない。どうしても捨てられなくって、戸惑っていたんじゃないかな。「どうして苦しいと思ってしまうんだろう」という気持ちを振り払うために、女を斬り続けた気がする。
 
後期の「ああ楽しい、どうしてこんなに楽しいことを俺は忘れていた」は、無界で生きようとしていた過去の自分を咎める言葉でもあり、いま「こんなに楽しい」のに「苦しい」自分への戸惑い、怒りへの表現だった、と私は思いました。
 
みうらんは言葉を選ばなければゴリラ。選ぶとチンピラだったんですけど、でも悲しかったし蘭兵衛さんとしての王道からは外れていなかったし、私はみうらん…めちゃくちゃ儚いなと感じましたね。あれだけ強かに見えた人も、背を押されれば落ちていってしまうんだな、という一抹の寂しさ、儚さ。みうらん、光量のめちゃくちゃ強い蛍。どれだけ強く光ってようが握りつぶせば蛍も死ぬんだ。
 
だから、強さの陰で見せる寂しさが好きだったな。たびたび数珠を握っては遠くに思いを馳せる姿とか……。わかりやすく愛想が良いわけではないけど、無界を愛したのも伝わるから、やっぱり見てて辛かったですよ。他の蘭に比べると辛さは少なめ(エンタメ性が強い)だと思うんだけど、それでも辛かった。無界を出てくときとか、もうやめて極楽にないしょでジャンプ買いにコンビニ行くのやめて…外出ないで…あっ数珠…数珠にぎらないで…それフラグだから…数珠を握るな!!!!って思いながら見てた。今日こそは天魔王に勝ってくれって思って見てた。
 
みうらんには割りと12月半ばぐらいで落ちてたんですけど、とはいえこんなに好きになるとは思ってなかった枠のぶっちぎりですよ……本当に良かった好きだった。またどこかで見る機会があればいいなーと思っていったら推しと一緒にオフィスパロにぶちこまれていたので焦りました。
 
いや だって 見たいなとは言ったけどそういう…そういうんじゃなくない!!!!????
ありがとーーっみうらん!!大好きだったしこれからも大好きだよーーっ!!!ゲキシネで綺麗な顔面をドアップで見せてね!!!!!!!!!!
 
 
■霧丸
個人的な上弦MVP、決めるとすればここですね……。
初日上弦感想観ていただければよく分かるかと思うんですが、わたしはほんとうに霧丸(特に上弦)に対しては否定的なところからスタートしたんですよね。実際のところ、霧丸は上弦のほうがハンデあったと思う。あの役どころで、自分より年下の捨之介相手に芝居やらなきゃいけないってどんなんだよ!?って思いません!?
私は最初「下弦と上弦なんで入れかえなかったんだよ」って思ってたよ……。
 
今となっては、絶対上弦にはこの平間霧丸が必要だったなぁ、って気持ちを噛み締めています。
三浦さんのところで「調整力が高い」なんて話をしていたんですけど、霧丸もめちゃくちゃに調整力が高かったと思います。自分の調整だけじゃなくって、常に場の空気を読みとって、適切な雰囲気へとコントロールするパワーがあった。霧丸がいなかったら途中でガラガラ調子崩しちゃったんじゃないかな、と感じる回もたくさんあった。
 
思えば、私が上弦で泣いてたのって大体霧丸のシーンなんだよなぁ。
平間さんのことはよく存じ上げず、拝見したのも初めてだったんですけど、なんか…なんだろう、リズム感がすごくいいひとだという印象を持っている……。「今ここで来てほしい」というタイミングでセリフが、動きが来るんですよね。だからつい、情動を後押しされて泣いてしまう。平間さんは最初から最後まで、すごくよかったな。後半いつも「今日は霧丸がよかった」って言ってた気がする。「あー!!この霧丸、もっと見たい!!!」って気持ちで増やしたチケットもある。
 
上弦は捨之介がふわふわで天然で、ふらふらしてるから、だからしっかりものの平間霧丸じゃないと支えられなかったと思う。平間霧丸は賢いんですよね。松岡霧丸とくらべてもお兄さんだし、松岡霧丸が生まれながらも天才型っぽいのに対して、こっちは知識を詰め込んでのし上がってきた秀才型という印象がある。ゆえに、人の汚い感情や痛みに関しても「理解」が早くて辛かった部分があったんじゃないかなぁ。理屈でわかるぶん絶望の形がこじれてしまって、もう生きていてもいいことなんてないって気持ちになってたような気がする。
 
そんな彼が救われて、「助けるため」に城へ向かうの、救済力が高すぎる。霧丸という存在は、作中唯一用意された「捨之介への肯定」だと思っています。月髑髏はほんっと〜に捨之介がね「お前は間違ってるよ」と言われつづけてラストに雪崩れ込むから、そういう時霧丸という存在がいてくれて、一緒に生きるぞ!って助けてくれるの…「必要だった」ことなんですよ。あれがなければ、例え命が助かったとしても捨之介は近いうちに死んでしまっていたんじゃないかと思うぐらい。
 
ちょっと夢見がち、天然な捨之介。冷静でわりあいリアリストな霧丸。
上弦のこの取り合わせは、味わいぶかくっておもしろかった。狙ってつくられた組み合わせなのかはわからないけど、捨之介と霧丸(沙霧)が対等な親友に見えるような髑髏城って、後にも先にもないんじゃないかなぁ。これは沙霧が男にならなかったらできなかったことだから、霧丸にした意味合いはちゃんとあったんだな、と思います。
 
平間さんは今回でほんとうに「すごいな!」って思ったので、ぜひ違う舞台でも拝見したいです。ほんとうに大変な役どころだったと思う……でも私のような厄介沙霧オタクも跳ね除けて、しっかりと役柄を全うした、とても素晴らしい役者さんだと思いました。ありがとう!
 
 
■兵庫
MVPもうひとり決めていいよって言われたら迷わずここにする。よかった…よかった!
 
あまりに若すぎるので、こっちもこっちでちょっとハンデあるというか、、大変だった部分もあっただろなと勝手ながら感じてしまうんですが、安定感がすごかった。平間霧丸と須賀兵庫がしっかりしてくれていたから、上弦ははちゃめちゃやっててもなんとか城の形を保っていたと思います。
 
もうねーーーーー光属性すぎて。
後期の上弦のオタクたち「孫がさ」って言ったらすぐ須賀くんと理解してたんですけど、孫としか言えないよね。「光の孫」と呼ばざるおえないよね……。おいしいお米とか野菜とかお肉とか贈りたい系兵庫。
 
死んじゃやだ!と泣きじゃくる兵庫を見て、こっちまで泣いてしまうような日が来るとは思わなかった。いや、あそこ大体いつも泣くんだけど、今回は特にぼろぼろ泣いてしまって、わたし髑髏城でこんなに泣くんだ…ってびっくりしましたね(髑髏城ではあんまり泣かないタイプ)。上弦の荒武者隊のこと、全員孫だとおもってたから……孫たち…幸せになってほしかった…。
 
とにかく、須賀兵庫は言うことやることひとつひとつが純でまっすぐで、だからあれだけ年の離れた極楽を好きだといわれても違和感がなかったんですよね。最後のプロポーズの、愛に溢れた様がさあ…その前の、蘭兵衛の死体に縋って泣いてる極楽に、なにもできないままの小さな背中を観ていると、もうたまらないわけですよ。かっこいいよ…お前かっこいいよ!って応援したくなる。聖子太夫を任せられる!と心から思えるちっちゃな兵庫でした。
 
なにげに、あれだけの公演回数で大きなミスがほぼなかったというの、凄いことだと思います。あれだけ跳ね回って、叫んでまわって、ミスあったにはあったけどほぼなくやり切って最後まで笑っていたの、なかなか成し遂げられることじゃないからな!?初日みたとき「喉壊すんじゃないの!?」って思った。ちょっと危うい時はあったんですけど……そんなことは全然大したことじゃねえ!
 
え〜〜んもうほんとにほんとに好きだった。良かった。2.5系とかにはあまり興味を持っていないオタクなんですけど「孫が出てる」といわれるとえっ…じゃあハイステ…見るか……ってなっちゃう。勝手に祖母になってすみませんなんですけど、あれだけ孫を摂取したら祖母にもなるわ。兵庫と霧丸のちっちゃいものクラブ(ってフォロワーさんが言ってたの見てから、もうそうにしか思えなくなった)に助けられていた舞台だった。お疲れ様でした。またぜひ新感線出てください……
 
 
■極楽
さんざん言ってるんですけど私は上弦の極楽が大好きなんですよね。もうこれを見れただけでも上弦、私にとって13000円の価値あるわってぐらい好き。大好きだった。
 
当たり前のこと言うんですけど。
やっぱり聖子さんは、お芝居がうまい。台詞の言い回し、声の使いかただけで心を揺さぶってくる。聖子さんは悪役やってても輝いているけど、今回の上弦極楽というポジションは私がものすごく見たかったものなんですよね。聖子さんの見せる優しいお芝居、情が厚いけれども決して押し付けがましくなくって、染み込んでくるような心地なんです。
 
好きだったのはやっぱり「どうしたって言うの蘭兵衛」「もう一度聞くよ、蘭兵衛さん」の声の使い分け。「血塗れの手でも洗えば落ちる!」と笑うときの声。極楽があっけらかんとした強そうな女性に見えて、その実内面はやわらかく、弱い部分もある女性であるんだなということが、言葉や表情、行動からしっかりと伝わってきたんです。
 
だから、あれだけ強そうに見えても最後死のうとしてしまうの、納得いったな。歳を重ねているからものごともわかってしまうし、生きてたってあんまりいいことないなってのを理解してしまっている。だからこそ、兵庫の言葉が刺さったんだと思います。
 
極楽は、「あんたと一緒に生きたい」と言われたかったし、言いたかったんだと思う。
それが言えない人間だったから、蘭兵衛を見送ってしまったし、その後悔を抱えることになってしまった。助けたし、蘭は助けてもらったと笑ってくれるけど「一緒に生きている」心地は最後までなかったんじゃないかな。蘭の心が遠くにあったことも、わかっていたんだと思うな。
 
あんたと一緒に生きたい。俺と生きてくれ。極楽の言えなかった言葉を口にした兵庫は、極楽にとって本当にいい男に見えたんだと思うよ。誰かには生きてくれと思うけど、自分が生きていきたいとは思えない。ある種、極楽太夫は捨之介ととても似た人物なんですよね。そんな彼女に須賀兵庫という明確な救済があって、本当に、本当に良かったなぁ。
 
これまでの髑髏城で、私にとってはもっとも好きな極楽太夫だったし、もっとも美しい極楽太夫でした。
 
■贋鉄斎
しんぺーさんホンッッッッッッッッッッッッッットおつかれさまでした!!!!!!!!!!!
 
序盤は、下弦に比べるとやっぱり暴れられないかな?寂しいな〜とか思ってたのが嘘のようだった。でも後半は暴れる贋鉄斎に捨之介が振り回される、じゃなくて暴れる捨之介を贋鉄斎が「すみません!!すみません今片付けますんで!!!」と舞台袖に押し込める事態だったので、こんなことになるなんて聞いてないよ!!と思った。しんぺーさんも聞いてなかったと思うよ。
 
上弦贋鉄斎ねー変な人なんだけど、愛嬌があってかわいいんですよね。他の贋鉄斎がかわいくないというわけではないんですよ。いや、かわいくなかったわ。あとの花鳥風月贋鉄斎、全員変態か害悪です。そんななか、上弦贋鉄斎はどこかほのぼのとしていて、プリキュア妖精さんみたいだった。
すてのすけ!いくガン!!変身だガン!!斬鎧パワーでメイクアップだガン!!
 
年の差が開いていることもあって、贋鉄斎、捨之介のこと可愛がってくれたんだろうな。孫とか息子みたいな気持ちで、おぬし〜ウリウリ〜〜ってしてくれてたんだろうな。そりゃ捨之介も胸襟を開きまくってガバガバになって、贋鉄斎ルームで「終わりたくない」「お前とずっと一緒にいたい」「お前が好きなんだ」などと月9をおっぱじめるよ。
 
思い返すと、一番かわいかった…のは…贋鉄斎だったような気もしてくるんですよね。マジで脳内作画がプリキュア妖精さんで2頭身なので……まああのシーン福士捨も二頭身だったんで作画のトーンが揃ってるともいえるんですけど。なんだっけこれなんの話?髑髏城の七人の話だったわ。
 
いやー贋鉄斎の呼びかけで捨之介にミラクル髑髏ライト振らせてもらえるなんておもわなかったですね…。
 
 
■渡京
もういてくれて喋ってくれるだけでありがたかったんですよね。
なぜなら聞きやすいし誰がしゃべってるのかすぐわかるので(上弦…全体的に声が似ていた…)。
 
鳥渡京に比べるとさらにアヤシ〜奴というか、さらに小ズルそうだったけど、髑髏党を霧丸と騙すシーンのポンコツさが途中から増したの、ウッ…かわい…と思った。渡京って毎回「なんだお前はムカつくあー腹立つまた邪魔してアーーッもうほんとちょこまかと小賢しいンーー!!!!!!!……えっ好き…」みたいになっちゃうんですけど、上弦はほんとお前ーーっ!お前お前お前ーーっ!好きだぞチクショー!ってなった。
 
髪にメッシュ入ってるのも「怪しいヤツです!!」という感じでよかったな〜。
なんか、鳥よりさらにアホでしたよね!?策も鳥以上にバカバカしかったし、わりとアホの子でしたよね。月渡京。
 
それでも、隠しきれないのが刀捌きの美しさ。
本当はお前強いだろ!とツッコミを入れたくなってしまうのも、これも粟根さんの殺陣が美しいのがいけないんだ……ウッ…ウウ〜〜佇まいも美しいし、こんな怪しい裏切り眼鏡おじさんに色気を感じてしまうの感性がバグったとしか思えないんだけど、粟根まことさんならそれができるんですよ。粟根まことさんにはそれができるんだ!!!
 
粟根まことさんの声を聞きながら眠りにつきたいんだけど、渡京の声を聞きながら眠りにつくシチュエーションは絶対よくない夢を見るシチュエーションなのでご勘弁願いたいのだった。
粟根さん……好きだ…好きだ……。みんな髑髏城の七人1997も見てね…。
 
■狸穴
地味〜にっていうとなんだけど、地味〜に好きだった、いっけいさんの狸穴。
いや、いっけいさんの狸穴、実際めちゃくちゃハマってませんでした!?家康感の出方(?)が花鳥風月でもトップクラスだったと思う。大物感もお茶目さもあり、なにより狸感。めっちゃ狸。
 
霧丸の頭をうりうり撫でたりいじったりしてて、おちゃめでかわいいし、おでんを見た瞬間から「おっ!!」となってる様子がはっきり見えるのも良かったなぁ。ものすごく特筆すべきところがあるタイプではないし、いわゆるイケおじともちょっと違うんだけど、愛嬌があって親しみが持てて、でもちゃんと大物で…家康感が強かったんですよね!とにかく。
 
あんまり書くべきことがないんだけど、いっけいさんの狸穴ハマりすぎててもう何回か見てきたよな気持ちにさえなったから……私これ鳥髑髏の太夫にも言ってたけど「もう見た」って見る前から思ってたから…(?)
 
上弦にだけあるシーンですが、洗濯物干すシーン、ほんとに…良いですね。ニヤッとしてしまうし、あのシーンのほのぼのさがあるゆえに、後半がとても悲しいし辛い。ので、いつもカテコで楽しそうに手を触り合う二人を見るとちょっとだけ救われてしまうんですよ。
 
 
まだまだ書きたいことがいっぱいあるんですけど、2万文字はさすがに越えたくないし手が疲れてきたし、まだ下弦の感想に着手できていないのでこのあたりにとどめます。続きはツイッターで。
 
上弦は、始まった段階では荒が目立っていて、上弦のオタクをしつつも「否定されてしまっても、仕方がないかもしれないなぁ」と思っていたところがあるんですが、終わった今では「私がこの芝居を自信持ってよかった、好きだった、と言わなくてどうすんだ」って気持ちが強いです。
 
髑髏城の七人月 上弦の月!!!!!!!おもしろかったですよ!
すごくすごく良かったし、おもしろかったし、大好きだったし、これからも大好きですよ!!!!!!!!!!!!!!
 
そして以下の意見は、私にとっては、私にとってはのものですよ。
上弦はワカぶりに「強く捨天蘭過去の姿を描くことができる」髑髏城でした。単純に、三人の年が近いというのが大きいとは思うのだけど、捨天蘭全員が妙に地に足ついていて、人間くさいところが多かったからかもしれないなぁ。でもみうらんと天魔は絶対合わないよね。天魔がどうぶつのもりやってたいって言っててもみうらんはお外で缶蹴りしたいもん。ゲームとかしゃらくさいもん。外遊びひとつで育て上げられた漢だもん。(福士捨はどっちでもつきあってくれるよ)
 
上弦髑髏は青春の過ちの、若さゆえのヒリヒリした感情のやりとりを主軸に置いた物語で、それは一見ワカに近しいと思うのだけど……でも、やっぱりワカドクロとは違うんですよね。ワカは「もしかしたら交わったかもしれない三人」の物語で、上弦は「決して交わることはなかったけど、交わりたいと思っていた三人」の物語だと思う。相互不理解の髑髏城、と呼んでいたけれども……天も捨も、蘭さえもこの髑髏においては「理解されたい」と思いながら生きていたような気がするな。
 
だから、辛かった。
上弦、楽しかったー!と豊洲を出るにはあまりに辛くって苦しくって、感情をボロボロにされまくった。終演後。はけていく福士捨にむけて「そ〜ちゃ〜ん!」と叫ぶ福士くんファンのきらきらお姉さまを横目に「つれえ…つれえ…」と男泣きを堪えながら拍手贈るマチネもあった。「六欲天…今日三欲天ぐらいしかちゃんと斬れてなかったけど大丈夫か…」とスペースキャット顔のソワレ(前楽)もあった……。
 
前楽のドデカイミス、こんなこというと不謹慎だけど私は「上弦ぽくて」おもしろかったんですよね。(同行の友達とか、別にミスに気づいてなかったし、何回もみてる側はあっとなるけど、初見が気になってないなら目くじら立てて責める必要性はないと思っている)
もう楽しかないんだよ!楽で綺麗に終わらせなきゃいけないの。その状態で千穐楽に突っ走るんだから「千穐楽寂しい」じゃなくて千穐楽マジ頼んだぞ!!ほんと!!ほんとに!!」って気持ちで豊洲に向かったもんね。
 
だっていうのに楽まで感情剥き出しで、綺麗にやるつもりなんて誰もないんだろうなってお芝居のぶつけあいっこしてた上弦くん。不器用だけど愛しい子だった。しっかりはっきりとした髑髏城はいっぱい見せてもらったので、上弦くんはあれでよかったと私は思っているし、私は本当に満足しています。私が髑髏城の七人に求めているものを、上弦くんは見せてくれた。もっともっと見てたかったんだけど、ちゃんと満足はしてるよ!
 
懸念点としては、ライビュ見れてない勢なので、ゲキシネで見たらあまりにも顔が良すぎて倒れてしまわないか心配。いや…福士三浦の顔が並んだ瞬間画面のイケメン係数が異常値を訴えてしまうでしょ…無理でしょ…バルト9のスクリーンが真っ二つに割れてしまうかもしれない……。上弦の月ゲキシネが一体いつごろになるのかという話からはこれからも目をそらしていく心づもりです。さすがに告知してくれそろそろ!!!!
 
あーーー楽しかった!!!!!!!!!!!!!!苦しみも痛みも含めて楽しかった!!!!!!!
ありがとう上弦の月!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ありがとう練乳ミルククリームの香ばしフランス!!!!!!!!!!