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おもに劇団⭐︎新感線まわりの怪文章を投げています

髑髏城の七人月〜下弦の月〜を観てきましたの感想

 
上弦に続いて下弦も観てきました!
上弦の感想はコッチです⇒

moduyama.hatenablog.com

 
前提を話すと2011髑髏のゲキシネから髑髏というコンテンツにズブって全髑髏履修済み・花鳥風月コンプもなんとかできた髑髏党員の感想です!!2.5は不勉強状態です。
 
 
総評として……とてもよかったーー!!!!
前評判がとても良かったので楽しみにしていたのですが、その期待を裏切ることない、手堅く纏まった髑髏城でした。
 
終わったあと「良かった」「面白かった」「すごくよかった」「宮野」「宮野〜〜!!」「宮野真守〜〜〜!!!!!」「捨之介…」「しゅてのしゅけーーー!!!!!!!!!」ばっか言ってた。
髑髏城という概念が自走して舞台を執り行っているかのような、まさしく髑髏城のための髑髏城でした。何言ってんだお前でももういいよ!それぐらい「髑髏城」のための「髑髏城」だったんだよ!!
いやーーーもう宮野真守のオタクは絶対絶対観て!?私は宮野真守のオタクじゃないけどあまりに最高だったから劇中百回ぐらい死んだし、宮野真守のせいで上演中に下弦のチケット(脳内で)増やしたから!!!!10回ぐらい脳内のローチケアクセスしたから!!あの画像認証パズルカチカチカチカチ嵌めてたから!!!まだ観てない!!??「チケ増やしたかった」って思っても遅いんだよ!?わかってる!?宮野真守のオタク全員玄関に「宮野真守のオタクです」って子羊の血で書いて!!!!郵便受けに一軒ずつチケット差し込むから!!!
 
えー 下弦くん。下弦くんの感想です。
 
全体的にまず声が聞き取りやすい。
上弦は声が似てる人が多かったり、滑舌ちょっと頑張ろうね感あったりで困惑する場面も多かったんですが、下弦はノンストレスで引っかかるところもなく、とにかく最初から最後まで素麺みたいな快適さで食べられた……。やっぱり「声で誰が喋ってるかわかる」っていうのは強いですね。ステアラが視界良好劇場じゃないからなおさら。立ち振舞いに大きな問題ある役者もおらず、強いていうならベテラン勢に関しては上弦のほうが安定感あったかな〜…と思わなくもない程度かな…?
 
上弦は顔小さい城の七人だわって思ったけど下弦は顔うるさい城の七人だわ…って感じ。とにかく捨天の顔がうるさすぎて顔の交通整理してー!!!顔渋滞してます!!あーー!!詰まってます顔が!!アーー!!大変目が足りません鈴木拡樹さん他の人が喋ってる間も表情筋が爆発してますアアーー宮野真守さんも何その顔ーーどうにかしてーー!!!
 
表情豊かだし声もきっちり届くし、とにかく四時間の長丁場を見せきるだけの地力・パワーを感じました。2.5に対して否定的な意見も色々あるだろうし、私もキャスト発表あったときは戸惑いもしたけど、もう気にしなくていいし素晴らしい役者にジャンルの垣根は無いと思います。そのラインを積極的に踏み越えてくれたのが新感線という劇団であることは本当に嬉しいです。
 
同じ脚本から上弦みたいなねじれにねじれたブツが出てきたのに対して、月は「髑髏城の七人」という物語が「本来はこういう話だったんだわな…」ということを思い出させてくれる、スタンダートでとてもわかりやすい髑髏城でした。
役者の肉体・年齢差が脚本とシンクロしているため、上弦より脚本とキャストの親和性が高いですね。ここは…上弦もうちょい調整してほしかったなあ…とおもっちゃうなあ。
 
そんなこんなで兎にも角にも安定感。始まる前にキャストが「バブドクロ」なんて言ってましたけど、上弦は「(作品として)バブ(状態の試行錯誤を日々やってる)髑髏)」下弦は「バブ(でもわかるぐらい完成してる)髑髏」ぐらい違う。下弦から見ることをオススメします。下弦
上弦を初見にするとこう…色々と拗れて…危険なことに…
 
……でも上弦も見て…………
お願いだよ…私と一緒に苦しんでよ………あの苦しみもまた髑髏城が我々オタクに与えてくれるものなんだよ…
 
この後上弦帰ったら福士捨の顔小さすぎて見慣れないんじゃなかっていうのが一番不安ですね。
顔の小ささに戸惑ったときは、小さいを突破して遠近法を無視してたむかいり蘭をじゅんさんの横に並べて落ち着こうね。
 
■捨之介
花鳥風月通して最強最高の捨之介が出てきてしまった感に殴られていま死んでいる。
私はわりと珍しいんじゃないかな〜と思う、捨之介というキャラクターにめちゃくちゃ固執しているタイプのオタクなんですが「捨之介という概念が舞台に出てた」って錯覚するぐらい、もう良いとか凄く良いとかじゃない…「捨之介だった」としか言いようがない。
 
前評判としては殺陣がちょっと?みたいに聞いてたけど捨之介ならこのぐらいでもいいかな〜と思います。そんな気にならなかったです。小ネタの仕込み具合がサダヲ捨級とまではいかなくともかなりのもので、がんてっさいとの!!やり取りで!!ボケる捨!!見たかったーーー!!見たかったのありがとう!!!宮野真守さんなんか欲しいものありませんか!!?権力とか永遠の命とか……
 
私は花髑髏の小栗捨に脳味噌をぶん殴られてグズグズにされたんですが、それは彼が「自分が死に向かっているとは気づかず、のらくらと笑って生きている根暗」な捨之介であり、その見た目と裏腹の捻れに惹かれてしまったんですよね。小栗旬の顔やぞ。それでそんなねじれるなんてことある!?って。彼は根暗で、最初から死に向かっていて、心の奥底では「死にたい」と考えながら生きていたと思うわけです。そんな小栗捨が大好きなので、捨之介として最強の捨之介が宮野捨だとしても私は小栗捨が大好きなので髑髏城の七人花season花を観てください(小栗しゅて最高アピ)(ゲキシネはよ)。
 
なんで小栗捨の話をしたかというと、見てる間「ああ…これが本来小栗捨のやるはずだった路線だ…」って思ったんですよね。小栗捨、多分この路線になる予定だったと思う。それがなんか…何かがこんがらがって…というか多分ワカドクロでの未來・太一の持つ強烈な死の匂いに引きずられたままブラッシュアップがなされて、花のような捨になったと思う……。
 
だから観てる時の捨之介オタクとしての気持ちは「やっと会えたね捨之介」でした。
何いってんの案件でいいんですけど、それぐらい宮野捨は捨之介という概念を真正面から描ききった、捨之介というキャラクターの実写化だったんですよ……。
 
上弦の感想記事でも書いたんですが、私は月髑髏は「はじめて捨之介が天魔王に敗北する髑髏城」だと考えています。
これまで「天魔王を殺す」ことを目的に置いてきた捨之介が「天魔王を止める」ことを目的に置いてしまったせいで、天魔王に敗北をしてしまう物語。
そうなったことに対して正直捨之介のオタクとしては悲しいなと思っていたりもしたのですが、宮野捨を見たことによってすとんとこの設定変更が落ちてきました。
 
宮野捨…めっちゃ陽キャ!!!!!
天魔王や蘭のような極端な思考の人間がいることを理解できない。人の善性を信じ続けている。差し伸べた手はいつか取られるものだと思っている。夏は海辺でバーベキュー。冬はゼミの同期とクリパに鍋パに忘年会。
底抜けの明るさと、自分の持つ信念を「信じ続けている」捨之介なので、鳥風で追加された「罪のない人間を天魔に殺されるところに立ち会ってしまった」みたいな設定がないのもよくわかりますね。彼はある種、本当の地獄を目にしていない捨之介なんです。だから天魔王をそこまで憎まずに済んでいるわけで……。
 
もしかすると、この捨之介にとっては「多くの人が天魔王に泣かされている」ということよりも「天魔王が多くの人を泣かせている」ということのほうが辛いのかもしれないな。もちろん、誰にも泣いてほしくないと思っているけれども、泣かせている側の人間のことも「辛い」と思って寄り添いたくなってしまうタイプ。歴代ナンバーワン甘ちゃんだと思います。この点が宮野捨の特徴であり、ある種本来の「捨之介像」から少し外れている部分・宮野捨にしか表現できない部分だと思うし、そこが私には刺さりました……。
 
宮野捨が一番激情を露わにした瞬間が、天魔王が自死してしまったあと、というところがすごかった。そこから霧丸に支えられて歩き、すぐさま「俺が惹きつけるからお前らは逃げろ」と口にする流れ。本当の地獄を知ったんですよ。あの瞬間、捨之介は「性善説」「友情」「許し」が通じない人間がいること、ましてそれが自分の友人(と思っていたんじゃないかな)であったことに絶望して、死んでしまいたいほど苦悩していた。
 
これまでの捨之介が「死に場所をずっと探していた」のに対して、宮野捨は「死んでしまいたいほどの地獄を最後に見せられてしまった」んですよね。そんな捨を救うものが誰かというと、霧丸であるわけです。「天魔王を殺すためではなく、捨之介を生かすために髑髏城へのりこんできた」霧丸。もう家族を失って一人きりになって、もう死んでしまってもいいから天魔王の首を取りたいと考えていた彼が「あんただけでも生きろ」と言う。
霧丸という存在は、今回の髑髏城において「己の考えは間違っていた」と天魔王(というよりも信長の陰)にボコボコにされまくった捨之介に差し伸べられる「違うよ。間違ってなかったよ」という肯定と祝福です。霧丸じゃなきゃ、捨之介は救えなかったんです。捨之介が救いたくて、救えた霧丸だからこそ、地獄を目の当たりにした捨之介をなんとか引き上げてやることができた。この構図を美しいと言わずになんと言いますか!?
 
この対比がくっきりしたことによって、霧丸・捨之介の関係性が美しくてなんていうんですか!?若者言葉で!?エモい!?エモかったよーー!!!!!!!!
 
往年(ではない)の捨之介・沙霧関係性モエオタクだったので霧丸の登場にはま〜〜ぶっちゃけふてくされていたんですが(許して…沙霧がほんとうに好きなの…)、これならいいよ!これならいいんだよ!!!!すごくよかったよ!!捨之介と霧丸良かったよーー!!!
 
とにかく捨之介が最高すぎたので宮野真守のオタクは臓器を売ってでも見てほしい。
捨之介を魅力的に見せられるかは後半にかかってると思っていて、その後半を満身創痍で演じきった宮野真守さんにはもう是非おいしいごはんをいっぱい食べてほしいです。ステアラで髑髏やると激ヤセするんだよ。りんご三個分になる前に早く。
 
■天魔王
 
すずき ひろき さん ……
 
私は2.5詳しくない(元ライトニチアサオタク)ので鈴木拡樹さんはディケイトと戦国鍋でしか見たことないんですけど、数々の伝説はつたえ聞いており、そしてこの人に関してはそれ全部ホントなんだろうな…じゃないとここまで来れないよな…みたいな気持ちもあって、こんだけマジメにやってる人が報われない世界は嫌だ…絶対売れてくれ…と思っている謎のポジショニングの人間なんですけど(ここまで一呼吸)、見終えても~~~絶対髑髏城踏み台にしてくれよな!!って思った。
 
見てきたぞ。天魔王。
髑髏城という作品のオタクだけど鈴木拡樹さん絶対髑髏城踏み台にして死ぬほどビッグになって。
もう絶対売れて。
 
非の打ち所がないっていうのはこういうことを言うんですね。
さすがに先に太一天魔を見てしまっているとマント裁きはもうちょっと欲しくなってしまうんですが、殺陣きれいだし声聞き取りやすいし芝居によどみなく完璧と言わざる負えない。
あとこっちも顔がうるさい!!!宮野捨と喋ったりしてると顔wwww顔wwwww喋ってないときも小芝居やめてwwwなにその表情筋どこまで動いてるの!!!???wwww状態。
 
こっちもこっちで「天魔王」という概念をそのまま憑依させた感じでした。
アニメ:髑髏城の七人のハイパー最高舞台化作品だよこれ。天魔王完璧。二次元から出てきたみたいだよ。
 
トリッキーすぎる太一天魔を見たあとだと、鈴木天魔のクレバーさにびっくりします。
すごくない?ちゃんとエゲレスからの手紙読んでたよ!?いちいち振る舞いが知的すぎて絶対この天魔王国立大学出てるよ!!経済学部でガチ系ゼミ入って就職も早々に決めてるよ!!太一天魔と偏差値20ぐらい開きあるよ!!!!!!(太一天魔はたぶんIQが高いほうの天魔だよ)(多分子どもの頃は天才って言われてたよ)(試験はちょっぴり苦手だよ!)
 
卑屈で矮小で賢くて強くて血も涙もなくて少しだけ憐れで、きれいな配合の、本当によく作り込まれた天魔王。天魔王という概念が自走してる……すずきひろきさんに天魔王が憑いてる……カテコで帰りがあんまり早くない…すごい……
とにかくノンストレンスの権化で見ている間の不満点が一切なく、「すっげ…すずきひろきすっげ…」感に心が満たされていったし、下弦髑髏のノンストレス感最大の功労者はどう観てもこの人でしょ…。
 
ものすごい贅沢を言ってしまうと、ほんとうに天魔王としてデキはよかったが既視感は多々あったので、これだけお芝居のできる人ならこの人にしかできないような天魔王を観てみたいなーという欲張りが出てきますね。まだまだ公演期間あるし、ここから遊べる余裕はいくらでもありそうな座組なので、進化が楽しみすぎて震える。
そして是非次は、すずきひろきさんのために一から宛書された役で新感線に出演してほしいな。
 
あと早乙女太一の体(うるさい)に鈴木拡樹の顔(うるさい)をくっつけて大騒音スピーカーにして宮野真守にぶつけてみたくない???今度は勝てるかもしれない…うるさいほうが勝つならうるさいのとうるさいのを合体させてうるさいのにぶつけるんだ……
 
 
■蘭兵衛
顔のちっさくてちょっと愛想あるワカ蘭観てるみたいな感じだった…(?????)
上弦も思ったけど蘭の衣装だけは本当にどうにかならないかな〜!?新宿のホストみたいなのでなんとかしてほしかったですよ!!!
 
上弦三浦蘭がこれまた異色だったので、スタンダートなしなやか・ちょっと愛想ある蘭が出てくると「おっ…蘭兵衛じゃん(???)」感ある。三浦蘭が殺陣頑張ってたのでどうかなーと思ってたのですが、こちらも問題無しって感じですね。
 
こっちの蘭は極楽とも恋仲な感じだ。
私は風蘭が極楽を抱きしめた時「お、お前ーーー!!!!!!」とキレちらかしたのですが、今回もキレるかと思った……。今回の蘭正直ちょっとよく…つかめてないんですが…君アップダウン激しくない?みたいな…なんであんな楽しそうにしてたのに大虐殺で大暴れなの……?情緒が不安定……命の母あげたい…
 
蘭をほんとにどう処理していいのかわからなくて下弦で一番困惑してる。私が今回捨にめちゃくちゃ目をやってしまっていたせいもあると思うんですけど、今回の蘭がどういう蘭なのかはもっかいちゃんと観ないとなんとも言えなそうです。
まあ蘭兵衛なんて作中一番情緒めちゃくちゃでわけわかんない奴からしょうがないんですよね。
なんで上弦は天魔があんな情緒めちゃくちゃなの??
 
あっカテコで極楽の手をとってたの最低最悪でカーーッ!!ってなりました。私蘭兵衛さんという概念に心をめちゃくちゃにかき乱されてきてるオタクですけど、ほんとこの男がこの話で一番許されざる男だと思いますよ!!!許せない…ちょっと見た目と設定がオタク受けするからって……
 
■霧丸
捨之介と年の差が出るだけでこんなにも説得力が出る……ということを認識してしまった……。
霧丸良かったです。霧丸に変更した意図を感じ取ることがやっと、やっとできた…。
 
芝居としてはやや拙い部分?危なっかしい部分がちょこちょこ見受けられたのですが、ものすごく気にかかるレベルでもなく。上弦霧丸が賢そうだったのに対して、こっちは山・土に慣れ親しんでいるうちに才を発揮してしまったタイプの天才って感じですね。沙霧だと上弦が鳥。下弦が花みたいな。私は沙霧のひたむきさにボコボコにされて沙霧の親族のおじさんになったので、この下弦霧丸がだいぶグサグサと…きました。
 
わたしは霧丸(沙霧)のひたむきさが本当に好きで、髑髏城という大人・武士の理屈が絡み合ってぐちゃぐちゃになるなかで一人、子どもの主張の世界でいきているところが好きなんですが、この下弦霧丸もそういう子で、だからこそ捨を救えたのだなと感じます。
上弦霧丸がちょっと照れが入ったり、素直になれなかったりの果てでの「あんたカッコつけすぎだ」だったのに対して、下弦霧丸は本当にストレートに、コイツめっちゃカッコいいよって思いながらの「あんたカッコつけすぎだ」のように感じられて、どちらもいいなぁ…と。
 
そしてやはりめちゃくちゃ動ける。
上弦も思ったけど……君のほうが捨之介より強いのでは????????????????
あとなんか上弦に比べて顔近くなかった???最後のほうキスするのかと思って「沙霧じゃないんだぞ!!沙霧でもしてないんだぞ!!」ってめっちゃ慌てた。
 
■兵庫
個人的にはMVP。花鳥風月通してナンバーワン兵庫。
月髑髏発表時に一番「ここ絶対外さないだろうし楽しみ」って思ったのがこの木村兵庫だったんですよね。木村くんの兵庫は外すわけ無いだろうと思ってた。そしてその想定どおり、素晴らしくって木村くんにしかできない兵庫を見せてもらいました。
 
いや。すごいよこの兵庫!兵庫の王道を行ってるんだけど、一方で木村さんの兵庫にしかない匂いがしっかりとする。
この兵庫という存在がしっかりしているかいないかって、結構作品のテンションに影響をおよぼすんですよね。木村兵庫は緩急のつけかたも巧みで、物語をぐいぐいとリードしたり、観客がほっと息をつく時間をつくってくれたりするのがとても上手くて、下弦の持つホスピタリティの権化はこの人だと思いました。
 
どのシーンも完璧だったけど、特に良かったのはやっぱり、無界襲撃後かな。
死んだ荒武者隊の子分たちに気づいて、名前を呼びながら死体と向き合っていくシーン。髑髏城でも最も心が痛いシーンだと思うんですけどね、あそこをあんな風にやった兵庫は今までいなかった。
 
なんと表現していいのかわからないんですけど、「死を認識していない」声で呼びかけるんですよ。
これまでの兵庫たちがどこかで「死んでる」とわかっていて、それでも縋るように明るい声で子分たちを呼んでいたのに対して、今回の兵庫は本当に「死を見つめずに」生きている子分たちに声をかける。
それが段々と死を認識した声色に変わっていくあの様。すごい。鳥肌たちました本当に。そうだよね兵庫って、野武士を斬ったことはあっても死とはあんまり関わってこなくて、そんな兵庫があれだけの地獄を観てすぐ飲み込めるわけがないよね。
月髑髏観ててもっとも鳥肌だったシーンはここかも。
 
木村兵庫すごかったですよ本当に。
いくらでも絶賛したい。兵庫という単純そうに見える役柄を、物語の歯車として捉えつつもキャラとしての魅力も両立し、どちらもしっかりとやりきった手腕に頭があがりません。木村兵庫を観て。
 
■極楽
え?この人何歳…??? 何歳……????
これがレジェンドか……という気持ちであっけにとられて観てました。
年齢を感じさせない可愛らしさ・きゃぴきゃぴ感。女の子たちとも同い年のような距離感で接して戯れてる。常に桃色。コーラルピンク。いつでも顔の周囲にお花が見える。かわいい…かわいい……!!!!!!
そりゃこれは兵庫も好きになっちゃうわという納得の説得力でした。
 
でもちゃんと年上の貫禄もあって……パーソナルスペース凄く近くて、あれやっぱり母親目線だからあんな風にスキンシップするのかな〜とか…いろんな味が混ざり合っているのに極楽として成立していた。極楽としての情報量が多かった…。
 
木村兵庫とやり取りするときに小声で「いらないわよ」とか「バカ」とか言ってるのがちょーーーーかわいかった!!!
聖子さん太夫は「魂の美しさ」に惚れた兵庫って感じだったけど、こっちは「女はいつまでもその気でいれば女だしカワイイのよ」って極楽にウィンクされた気持ちになる。そりゃ兵庫も惚れるわ。
同行者なんて「今回の兵庫と極楽ってどっちが年上なの?」って聞いてきたからね!?わかんないよね……。
 
■渡京
ここに関しては正直厳しさをいろいろと感じてしまった…。
役者さんが悪いとかじゃなくて、渡京はもう、本当に誰にも代えの利かない粟根さんの役柄なんだなと。三五ちゃんがサンボさんにしかできないようなもの。全体的に爽やかなので最低だなこいつ感がイマイチ足りない気がしました。
 
やくしゃさんが悪いとかではなく…
粟根まことのための役柄「渡京」だったんだなということを…思い知った……
悪かった点とかはないので、粟根渡京を見続けてきた人でなければこのショックは受けないと思うし、問題ない…?のではないかな…?と思います。
 
■生駒
さとみさんの生駒ってなに!!??どういうこと〜!?と思ってたんですけどハマってた。
上弦生駒とはまったく違ってカワイイ…。いこま、おこだからね!!絶対カナコさん生駒は言わないww
 
天魔王への態度も全然違いますね。
上弦は生駒が天魔をヨシヨシしてくれてたけど、下弦は生駒が天魔王様にヨシヨシされた〜い♡って感じ。
死に方も、生駒が「あなたがそう決めたのならそうしなさい」と選択して死んでくれたのに対して、下弦は「やっぱり天魔王様って残虐で素敵ーー!!」ってテンションで死んでいくので、こっちのほうが狂気的で怖かったです。
 
私は山本カナコさん大好きオタクなんですけど、これはこれで…凄く…いいなあ…。
さとみさんの持ち味が存分に発揮されていて、魅力的でした。
 
■いん平
インディさんがこの役どころってどうなの!?と思ってたんですけど予想を越えたハマり用
ガリガリのおっとうになったことによって、農民としてのリアリティ・貧相な人間が敵に立ち向かうカタルシスが増したと思います。いん平は月髑髏のダークホース。
 
強いていうなら、ここまでガリガリげっそりにするなら仁平の「どらえもん」に対抗する何かが欲しかった気持ちがありますね。何かないかな…いいの…ていうかステファニーはずるいでしょ。しかも連呼するし。ステファニー。
 
■鴈鉄斎
上弦がわりと害のない変態だったので、下弦が普通に害のある怖い変態で笑ってしまった。わたしこのがんてっさい好き……。やっぱりがんていっさいは有害じゃなくっちゃ…。(上弦のかわいいがんてっさいも好きです)
従来のおもしろおじさんコーナーほど遊べないはずなのに、かなりガチャガチャ遊んでたし、宮野捨も乗ってくれるおかげで楽しいシーンが多くてよかったです!中村まことさん初めて拝見したのだけど、良いなぁ。もっと見たかったー!
 
■狸穴
千葉さん狸穴って危険なんですよね…。
どれだけ若手のイケメンがモリモリ出てきてかっこいいことしてても、この人出てきて喋った瞬間「最強イケメンが出てきちゃった」感にスン…となってしまうんですよね。
声から振る舞いから顔から何から何までかっこよいよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜;;;;;;;;;;ウワ〜〜〜〜〜〜ン;;;;;;
ここまでかっこいいと何も狸じゃないよ〜〜〜〜〜〜〜;;;;;;;;ウワ〜〜〜〜〜ン;;;;;;;
好き〜〜〜〜〜〜〜;;;;;;;;;;
 
上下通してぶっちぎり夢女向け枠でしょ!!!!!!
 
 
そんな感じで下弦は全体的にノンストレス・熱量もありとにかくよくできている髑髏城でした。初見の方に気持ちよくオススメできる!
特に宮野捨のハマりようは凄まじく、最後の最後でこんなに大正解捨之介を見せてもらえたことに感謝しかない。
ホスピタリティにも溢れていて、まさしく「ロイヤルホテル豊洲のスウィートルーム」待遇髑髏城。いいんですかこんな…いいんですか?いいんですね…?
 
もう本当に満足していて、素晴らしかったという気持ちでいます。
その前提でちょっとだけ言うと…ここからはちょっと髑髏城老害オタクイズム入る意見なのですっ飛ばしてもらっていいです)
 
上弦も感じたのですが「髑髏城をやろう」としている役者さんが凄く多かったので、なんかね…そこはね…気負わなくてもいいのでは?若いんだしもっと遊んでいこうぜ!!イエイイエイ!!みたいな気持ちになるところもあったかな。
上下通して、ワカドクロの残したものの重さを噛み締めています。やっぱり当時のでき・評価をさておいたとしてもワカドクロで髑髏城は第二シーズンに入っていて、初演小栗旬森山未來早乙女太一の演目という色合いを、完全には消せずにいるんだなと。(特に蘭はやっぱり…良くも悪くも…他の人がやるときには悪くもですが…早乙女太一ナイズされすぎてしまったと思います)
 
下弦は本当にデキが良くて、みんな素晴らしかったのですが、ここまでやれる人たちならもう少し「この人にしかできないこの役」を見てみたかったな、と感じる人もちらほらといました。オタクは本当に贅沢な生き物だ…。
 
とはいえそこが下弦のカラーだとも思うので、とにかくこの素晴らしい髑髏を見せていただけたことに感謝です。
ありがとう下弦ーー!!!!ありがとうーー!!!髑髏城って楽しいよー!!!一階席ーー!!二階席ーーー!三階席ーー!!
 
下弦が安定して楽しい極楽を築いてくれているなか、上弦がゴロゴロと地獄を転げ回りながらオタクを呼んでいるのが怖すぎるんですが、上弦と下弦ローテするの楽しすぎてヤバくない?頭おかしくなりそう…温泉と水風呂だよここ…下弦の髑髏城ホテルに泊まったあと野宿イヤなんですけど、それでも上弦の「これが関東荒野だよ。思い出した?」と言わんばかりの荒々しさ・独善的で整備されていない人間の感情のぶつかりあいに魅せられている自分もいるので、上弦も上弦で本当に楽しんでいます。
カラーの差がぱっきりと別れたけど上弦も下弦もおもしろいよ!ほんとだよ!!!怖くないよ!!!みんな上弦にもおいで!!怖くないよ!!嘘だよ!!私は上弦怖くて毎日泣いてるよ!!!
 
それと、他の髑髏城ももれなくぜーーーんぶおもしろいから、もし下弦から髑髏に浸かってくださった方がいらっしゃったら、是非過去髑髏も観てください……
髑髏…楽しい…かゆ…うま……
 
 
 

髑髏城の七人season月〜上弦の月〜 初日見てきましたの感想 ※12/3追記

12/3 二回目見たので、中盤あたりから追記しました 太字が追記部分です
 
月髑髏(上弦)初日見てきましたーーーーーー!!!
現時点では下弦はまだです!週末見れるといいな〜(チケットはない)
 
まず前提を話すと、わたしはワカゲキシネから髑髏とペガサスにズドンといったタイチサオトメ推し髑髏党員だったので、腰を壊す覚悟で鳥に通いつめて燃え尽きる…(風月は2回ずつぐらいかな〜^^)予定だったのですが……月…をぶちこまれ……財布は死んだし腰は壊れました…今も壊れています…。そんな感じなのでこの感想は髑髏城知ってる人向けな感じです。というか初見勢でまだ見てない人は読まないでくださいね!!!髑髏城は「何も知らないで見る」のが一番楽しいんだ…ほんとだよ…。
 
いやもう正直とても怖かったし恐れていた……
どうなっちゃうのこれ……どういう髑髏になっちゃうのていうか推しの天魔王…さっきまで蘭だった推しの天魔王を見せられるってどういうことなの……と怯える日々を過ごし観に行ったんですが。
 
うわーーー!!!!!!!!!!!!!!!!
みんな顔が小さい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
 
風のときにむかいりの顔の小ささに「じゅんさん(大好き)の半分ぐらいしかなくない…?」「遠近法が狂う」「コンソメキューブぐらいの大きさしかない」「見るたびに小さくなってる気がする」「小さすぎて米粒に見える」「もはや顔が消えた」と混乱してたんですが、月は小さい顔がバンバン出てきてバンバン並ぶので「顔小さい城の七人」って感じで頭がおかしくなりそうだった。なんであんなに顔が小さいんだ……?????????????????なに食べてるの?なにも食べてないからなの?じゅんさん(風)若い男の子いっぱいだよ月にお蕎麦振る舞いにおいでよ…。
 
鳥髑髏の掲載誌バラバラの漫画ぶりのあとだと、風のビジュアルめっちゃ地に足ついてて「ドラマ21 その時髑髏城は動いた」って感じだな…って思ってたけど、月も月でドラマっぽい。髑髏盛りの君たちへ〜イケ武士☆パラダイス〜。一幕終わりで霧丸が実は女って判明してインターミッション
 
月髑髏自体は初見さん向け?というか補足事項もけっこう多く、特に極楽と霧丸・雑賀と熊木が土の民山の民として助け合う様子が見えたのはほんっっとうに良かったです!舞台で是非見たいと思っていた設定でした。全体的にわかりやすかったんじゃないかな。(鳥髑髏の説明不足ぷりたるや凄まじかったしね…)
 
初日なので相当荒削りなことになってるやも、と覚悟して向かったのですが、思っていたよりも手堅くまとまっていた……という印象でした。四時間あるとは思えないスピード感でする〜っと進んでいった。ワカほどの重苦しさもなく、エンタメ感も強いので、初見さんには勧めやすい髑髏になっている気がします。
逆に新感線!!要素を楽しみたいとなると、ちょっと物足りなくは感じてしまうかも。いのうえ演出だし中島脚本だし、劇団員もいるけど、どことなくヨソの舞台感あったように思えました。
 
以下、細かな感想です。
好きだな〜!!!ってことと一緒に、個人的にあんまり好みじゃないな〜と思ったことの話も普通にしていますが、私の「好みじゃない」の話なのであんまり気にせず読んでいただけるとうれしいです。(好みじゃなかった、は自分という個人がこのコンテンツのどこにこだわってるのか、って部分に起因する話でしかないので)
この感想、まだ初日(と12/3追記)のやつだしね……。鳥ですら初日は「これ私は好きなんだけどウケるやつなのかわからない…」って困惑してたからね……。
 
■捨
立ち回り・芝居ともに正直を言うと粗削りさ・危うさが、特に後半は目立ちましたが、もうとにかく顔が良かった……。あと…顔……小さいですね……。
高身長の細身でありながらも、しっかり舞台に立っていたのも良かった。あの体型の役者さんってけっこう肉体を持て余してしまうというか……所在なさげに見える瞬間が多いので。
 
捨に関してはですね、個人的には、この改変はちょっとなぁ…と思うものの、中島さんが戯曲あとがきで書いている「これが現代的ヒーローの価値観」という言葉にも同意できてしまい、う~ん…私としては、私としてはなんですけど、正直なところ言いますと、(ほんとうに個人の感想ですよ)め〜〜〜っちゃ複雑!!!!
私はやっぱり…捨には天魔王を殺す、という覚悟を持っていてほしかったんですよね…。朗らかで一見フラフラしていて優しい捨之介は、天魔王だけは許さない。覚悟を持って殺す。という明確な意思を貫いているところが、少しいびつでもあって好きだったんだな~。
今回は月捨の優しさが完全に天魔を追い詰めまくっていたこともあり、ちょっと受け入れるのに時間がかかりそうです。ちょっとすれ違ってるだけ、とかじゃなくて根本的に理解できないんだろうなぁ、、と感じてしまったのは寂しかった……悪いというわけではなく、寂しかった…。オタクは寂しいという感情に弱いいきものなので……。
 
話は変わるような変わらないような、なんですが、捨之介というキャラは失敗する要素もあんまりないけど、成功させる材料にも恵まれないキャラだなあと思っています。天や蘭みたいなピーキーさ・華やかな飛び道具はなく、立ち位置も善なのでそこに色男要素やほの暗さで味付けしてるというか。その味付け要素も薄れてるので、今回の素直すぎる、自由で爽やかな捨という役柄は、初舞台でものすごく試されてるなあ…と感じました。
 
とはいえこういう改変も髑髏城のだいご味であり、若い福士くんの捨はこのストレートさ・あるいは微量の愚かさもコミでキャラ立ちしていくような予感が強くあります。宮野捨はどうなるんだろう…私としてはバリバリドスケベなのが見たいんですけど…!!!!!!!!!!!!!!
 
あっ!!!あと良かったと思った改変は、最後の天魔王攻略法!!!
いつも、弱かったはずの捨が強い天魔を一発グサッとしただけで、天魔が顔に水かけられたアンパンマンみたいに死んでいくの違和感あったので、今回みたいな根気勝負でひたすらひたすら剥がして、天を目指していた男を「地に足のついた」人間にまで引き戻して…というのは地の男らしかったし、今回の捨之介らしくて良かったです。
ただあのシーン…暗くて、遠くの席からだとなにが起きてるのかイマイチわからんよ…灯りを持て~~!灯りを持てぇ~~い!!っていうのあそこでほしい。
 
そういえば「雨を受け止める傘になる」という像は風から引き継がれてる感じですね。色男要素が薄れていくぶん、こういう大らかさで攻めるというのは捨之介の路線が広がっていいな~と思います。
久々に蘭の瞼を閉じてやる(閉じてたよね…見間違いだったら怖い)(二回目見たら見間違いでした!!!!初日はそれなりに遠かったのでごめんなさい!!)(と思ったらやっぱり初日はやってたのこと。日によって閉じたり閉じなかったりなんですね…)捨だったのも、その路線ゆえかな。今回の捨、天魔にも蘭にもめっちゃダチ感ある。仮面ライダー部に誘うんじゃないかとハラハラしたよ。。。人間のことが大好きで、どんな悪いことした子でもその子の幸せを願ってしまうような、小栗捨松山捨とは違う路線の純な優しさですね。
やっぱり捨之介という人間は天蘭に比べると、ど〜しても若い役者向きではない立ち位置だと思うので、そこをふくしくんがどう馴染ませていくんだろうな〜と楽しみにしています。
 
2回目見てかなり見方が変わりました。
要するに今回の捨之介って、髑髏城ではじめて「天魔王に敗北する」捨之介なんじゃないでしょうか。
 
正直初回見てる時は、あまりに捨が善すぎて・よくできすぎていて、こんなに完璧でいいのかなという不安をいだいていたのだけど、それが全て「捨之介が敗北する」ために敷かれている設定なのかもしれない、と思うとかなり納得がいくんだよね。
捨之介という人間はこれまで「天魔王を倒す(殺す)」ことを目的に置いてきた。正直、それさえ果たせればその先自分がどうなったっていいという想いで生きていた。だから天魔王を殺した捨之介は天魔王に「勝つ」。物語のなかで勝利をおさめる。
ところが月髑髏において捨之介が掲げている理想は「天魔王を止める」こと。ご丁寧に「殺すんじゃない。止めるんだ」とまで言う。捨之介にとって「天魔王を殺してしまう」は勝利条件ではなく、「彼を生かしたまま止める」が勝利の条件になっている。
その観点で見ていくと、捨之介は天魔王に「負けて」しまったんですよ。もっと言うとこの「天魔王」は人の男じゃない。月の捨之介は人の男や自分、蘭兵衛に覆いかぶさる「天魔王」という存在を相手に戦っていた。
 
それが、天魔は自決してしまうわ、あまつさえ「もういないんだ」と訴えてきた「天魔王」の亡霊をかぶせられ、家康に捕まる。もう完全敗北なわけですよ。そりゃ、これまで温厚でなるべく人を手にかけてこなかった捨之介も、鬼みたいな表情でまわりに刃を向けるよな。という。
月の捨之介は、あの場面にきてはじめて「自分が負けた」ということを感じ取ったんじゃないかと思う。自分の愚かさを悔いて、諦めて、天魔王の亡霊相手に降参してしまったんだと思う。
これまでの捨之介が「天魔王」への勝利を収めた上で死を受け入れるのに対して、月の捨之介は「天魔王への敗北」を機に死を受け入れてしまう。捨之介は天魔王に負けたことによってはじめて、己のなかにまだ居座る天魔の御霊に向き合い、戦うことを決めたんじゃないかなと思いました。つまるとこ、彼の戦いは本当にここからはじまるのかなと。
 
霧丸と共に「ここからまた始める」という色合い濃い捨之介がラストに来たのは面白いなーと思いますし、天魔王が勝利した髑髏かもしれないと思うと、ここから修羅天魔に雪崩れ込む流れがまたなんとも言えず……月…深い……。
 
とはいえやっぱり、捨之介という役柄はある程度年を取ってなんぼだと思います。霧丸とのやりとり含めてちょっと若すぎるとは思っちゃうなー……。こればっかりは役者さんにも動かし難いことだし、なんともいえないなあ。
 

■天魔王
化粧濃~~~~~~!顔怖~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!
 
これ知ってるよ私鳥で学習したよ。多分一週間後にはもう全然違う天魔になってて、毎週のようにコロコロやること変わっちゃうやつでしょ。知ってるよ!!!!!!!!!今日の公演から日本語喋らなくなってても納得のレベルだよ!!!
 
大きな持ち味である殺陣はわりと抑えめでしたね。敦盛がないし(なぜ…今回はあってもよかった…)
得意技の扇子に、未來さんから受け継いだマント技を披露する機会もあるのでそこで補えてるかな~とは思いつつ、今回はまじで芝居を試されている感じですね。
 
芝居を…
いや~~……
正直めっちゃ月 こわい…
 
始まった今でもこわい…推しの力量を試されまくってるという恐怖…一介のオタクには何もできない祈ることしかできないんだけど、それはそうと胃がキリキリしてくる。
太一さん推しの自分としては、勝負の土俵が森山未來さんかと思うとね…もう震えが止まらないんですよね…。
 
念のため言いたいんですけど鈴木くんがライバルでない、と思っているわけじゃないんですよ。
(下弦見たあとの感想で書きたいけど鈴木くんマジ絶対強すぎ俳優として覇道を築いてほしい…みたいな謎の願いを抱く外野の人間です)
ただ見てもらうと分かると思うんだけど、あまりにも未來さん(鳥)の残した軌跡がデカくて、夏から豊洲の劇場に居座り続けている未來さんのゴーストと戦わなきゃいけない感を覚える。
 
ふー。
上弦天魔王というキャラの話です。
鳥髑髏見終わったあと「鳥の蘭ヤバいサークラ女みたいだった」って頭抱えてたんですけど、月は見てる時「妖怪級のヤバい女では」と思った…。
オカマって言われると違うんですよね…これ鳥蘭のときも表現に困ったけど「女」なんだよな…。歌舞伎のお岩さんとか、そういう美しくって憐れで不気味で恐ろしい女の化物。
っていうのをあまりにもあまりにもな感想だからと思って控えていたら、帰ってきてパンフを読んだ瞬間に脳が爆散しました。さ、さおとめたいち~~~~~~…さおとめたいち…
天魔王でよりによって 天魔王で女性を併せ持った人間をつくろうとするとか、考えついてもそんなことさおとめたいちしか
やらなくないですか!?!?(せやろか?)(今だけ盲目オタクでいさせてほしい)このあたりで推し最高スイッチ入って親指立溶鉱炉でした。
 
やーー 鳥髑髏の蘭を私は「情炎の蘭兵衛」と呼んでたんですが、今回もそれな気がする。「情炎の天魔王」。
彼の素地は鳥髑髏と同じようにも見えるんですが、彼は鳥の天魔とは違うんですよ。
大きな違いは鳥天が口にしなかった「人間五十年夢幻の如くなり」をきっちり口にしたところ。多分だけど、鳥の天魔は晩年の信長なんて愛していなくって全盛期の信長を愛していた。一方、月の天魔は本当に最後の最後まで信長を愛してたんじゃないかなぁ。愛してたから傍にいて最後看取ったんじゃないかなぁ…。でもそこで蘭には勝てないって現実を突きつけられて、狂ってしまったのかもしれないなぁ、、とか思っています。
敦盛こそなかったけど、冒頭城燃やしダンスはまさしく敦盛を彼なりになぞったんだと思うしな……。
 
従来は仮面だけで済むのに、最後の最後で皮をべりべり剥がされていくの、むごかったな。それこそ羽を捥がれるイカロスみたいだった…。月天魔にとって天魔の鎧までもが信長そのもので、あの鎧と一緒にいることだけが天魔にとっての最後のよすがだったようにも思えたので、それをはがされていくのは…無理やり信長から引き離されていくみたいで辛かった。
下弦天にはないと噂を聞いた、しもやけてぶくろ(しもやけではない)もどういうイメージなんでしょうね。血みたいな赤色の指先……。

始まる前は「キングギドラ」「聖闘士星矢」「天魔王のオンナコスしても聖闘士星矢にしかならない」と嘆いていたギンギラギンにさりげなくねぇ甲冑だけど、あれ、モチーフ蛾だったのかなぁ…と見終えた今では思います。
美しい蝶にはなれず、羽をもがれたらもう飛べない蛾……
テンマチャン…つらい……鳥路線の天魔は私の心をぐちゃぐちゃにする…
 
待って!!!!!!!!二回目見たら全然違う人になってた!!!!なにこれ!!!!!!
ぶっちゃけ初日は持ち味のエモーショナルさがやや暴走していて、台詞が聞き取りづらくなっていたりまあ正直…未來さん色が濃く残っていたりしたのですが、二回目はもう全然違った!静か動なら静!するりと相手に絡みついて、知らないあいだに喉笛に噛み付く、蛇のような天魔王。
 
未來さんの天魔とかソンハさんの天魔って「口先が本当に達者で、相手の心をくすぐるのがうまい」という感じだったのですが、早乙女天は口先は大したことないんだけど、天性の魔性で相手を惑わすという感じになってきましたね。ぶっちゃけ、頭はあんまりよくなさそう(笑)なんなら蘭よりもずっと女性じみた挙動、所作、口ぶりが目立つ。でもオカマとかオネエっていうとまた違う……なにこれ……。
私は早乙女太一という役者の魅力の一つに「声」があると思うのですが、一方でこの「声」が足かせになると感じる瞬間もあり、初日はそれを感じてしまったんです……が、二回目見た時は完全にその「声」が天魔王という役柄の魅力に直結していて感動しました。表面は掠れているのに中身は湿気の高いあの声が囁いたかと思ったら、低い男性そのもののような叫び・威圧に変貌するともうね、すごく「怖い」の。一人二役路線の天魔王に対してこのタイプの「怖い」を感じたのははじめて。気持ち悪くて、それでちゃんと怖い。それでいてカワイイこともするからもう感情はめちゃくちゃ。
 
天魔王がこの女性めいた仕草・口ぶりを織り交ぜたり、あと銃を向けられるとかならず顔からかばったり(頭をかばうっていうより、顔をかばうって感じだよねあれ…)するのに、お化粧はやっぱりきれいよりは不気味に寄っているアンバランスさがまた気味悪い。彼は信長に「天地人」のうち「人」を与えられても、満足できなかったんだなぁ。そんなものより、蘭丸がもらっている「愛」がほしかったんだろうなぁ……。鳥の天魔は「もう今の殿は見ていられないし昔の殿が好きだから殺してしまおう」って感じだったと予測しているんですが、月天魔は「今のあなたも昔のあなたも愛しているけど、どちらにせよ私を見てくれないなら殺してしまおう」だたんじゃないかなーーーと思います。だから殿の面・鎧に酷く固執しているのかな。
 
どうしても天魔王のキャラ造形が月は鳥に近しいから、完全に切り離した芝居になるのは難しいと思うけど、それでも今日見た太一天魔にはもう森山天魔の面影はなかったと思います。鳥に通った私が言うんだから信じてくれ。もうぜんっぜん違う天魔だよ。ここからまだ二ヶ月以上あると思うと、どれだけ変わっちゃうんだろうという期待しか抱けない。推し最高です。世界にありがとう。


■蘭兵衛
登場シーン一億点!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
 
すご…三浦さんすごいですね初めて見たけど、かなり動けますね……あと顔…小さいですね……。(二人目)
ノリとしてはほんと普通のあんちゃんって感じの蘭でしたね。工業高校のインテリヤンキーみたいだった……これクローズだったっけって思っちゃった…。
全体的にワカ…というか太一さんを勉強してきてくださったのかな…みたいなのを感じてソワソワしたしありがたみを感じた。
決戦前あそこまでイキってる蘭初めてみたのでヒエーッwwwってなりました。ステイッ!ステイッ!って声かけたくなるもん。完全にお散歩待ちわんわん。
 
ほんとにビジュアルが完璧で、登場の瞬間から「ハ~イ一億点で~す」って感じだったので、一億点じゃん…一億点!!一億点でーす!!って大興奮しましたね。わたしはむかいやらんべというキャラのキャラデザが好きなのでむかいやらんべのキャラデザで出てくる役者のこと無条件で好きになってしまうんですけどね。
 
立ち姿とか歩きの、細いけど重心感じるところすごくよかったです。動きがねーすごく…ワカを見てきたのかな?いやというか本人いるし、本人に教わってきたかな…みたいな…多分見間違いでなくて…凄く綺麗だったので感動しました。
やんちゃで年頃の男の子ぽいところが見えるのも新鮮でいい。年としてはワカ蘭も男の子だったけどあっちは今すぐ死にますみたいな顔して出てきて死んだからな…。鉄パイプで窓ガラスカチ割り続けてたら後ろからドタマ割られて死ぬみたいな蘭、生き意地汚そうで新しいなぁ。
 
極楽たちに息子のように可愛がられて育ってきたって設定も、それゆえカーチャン泣かせるなよ!!!みたいな気持ちになってしまって辛かった……。本当に無界に恩義感じてそうだったし……「は?無界?別に……」みたいなテンションだったむかいり蘭のあとに見るとなおさら際立ってきて、こういう差異が髑髏のおもしろさですよね。
 
しかし本当に普通の男の子って感じの蘭ですごいな、これどうするんだろう…と思ってたけど、天魔が女性にふりきっているというのなら、それに呼応するように男性を強めてる、って要素もある蘭なのかもな〜と思ったり……?どうなんだろ…怖い…そわそわする…
 
黄泉の笛また早くなった!?
初日見た時はちょっと二幕からが弱いかもしれないと思ったんですけど、今日見たら二幕からもすごく良くなっていた。これまでパキッと乾いた男らしさを貫いてきたからこそ、ガラッと色が変わった瞬間が際立ちますね。男性極振りの蘭兵衛すっっっごい好き。
 
「無界屋蘭兵衛はもう死んだ」の言葉に違わぬ、未練のなさ。無界を愛していたように見えたからこそ、ここまで未練なく裏切られると本当に辛いですね。月は捨が自由色強いからこそ、天と蘭の囚われぶりが鮮やかに浮き上がってくる。
しかし兵庫にビンタしたの最高だった。そういうことできるレベルには気安い仲なのかもしれない(そうか?)
「男性感強いらんべさん」ツボの自分にはみうらんべさん趣味に合う。普通に同情の余地ない最低の外道なところもいいよね。鳥とか被害者ヅラしすぎで同情しそうになるからやめてほしかった。無界屋蘭兵衛は作中で一番やりたい放題して殺しまくって死んでく男だから、憐れまなくてもいいんですよ!!こいつ悪いやつなですよ!!私は無界屋蘭兵衛さん担当Pです。
 
もーあと身も蓋もない話するとね。この蘭見てると「この蘭が趣味な信長はそりゃ〜天魔のこと愛してくれないわな」とか思っちゃう。タイプ全然違うもんね。「天魔のことも愛してあげればよかったじゃん」とか思う余地ない。そうね。これが好きなら天魔は無理だよねみたいなね。まあ私も天魔はちょっと重くて無理だけど…でももうちょっとやりようあったんじゃないの……ねえノッブ……ちょっと飲もうか……。
 
 
■霧丸
役者さんはじめて拝見したのですが、動けるし芝居もしっかりしていてよかったです!
今回初参加勢の役者さんのなかでは、個人的には一番安定感はあったと思います。
 
ただ、事前の懸念通り霧丸にした意味とは……という感じだなぁ~……。
いや霧丸にならざるおえない理由もわかるし、やりたいこと・意図もわかるんだけど……。
 
戯曲読む限りでは復讐者という立ち位置なんだろうけど、数々のメタファーや関係性の類似・因果の回収が飛び交う髑髏城で、ここにきて復讐からの解放、がテーマになっても、あまり明確に見えてこないんですよね。
というかそれ、鳥の捨が遠回しにやっちゃってるしなー……というのもあり、私個人にとっては新鮮味には欠けてました。(これは髑髏全部観てるからだと思うけど)
動けてしまうことが裏目に出て、捨が頑なに霧丸を守るのも(また、霧丸が都度守られるような状況に置かれてしまうことも)違和感出てしまったのがまた難しいな……と感じました。重ねて言うのですが役者さんは本当にきっちりとこなしていたのでなおさら。
 
あくまで捨之介と沙霧は「救った相手に救われる」という対等の関係性だったんですが、それが男性同士になることによって兄貴と子分じみてしまい、結果的に「救い救われ」の関係性が薄れたのも、かなり痛かったと思います。かといって中の人の年齢は大して離れていないのでやや違和感あり、、という…この点はどうしても役者の年齢的に、下弦のほうがナチュラルになってきそう。
男性同士になったせいかホ…に見えないように、情熱的なセリフを取り締まられちゃったのも痛い…。
霧丸がぼやけてしまうことによって、捨之介の輪郭もだいぶぼやけるので、結果的に捨陣営はやや精彩を欠いた形になってしまいがちと感じました。
 
どういう立ち位置にすればよかったんだろう…
銀さんと新八みたいな感じがよかったんですかね

霧「ってオイイイイイイイ!駆け込み先色里かよォオオオオ!」
捨「おい何はしゃいでんだよ霧っつあん 男の駆け込み先はいつだって女の懐の中よ…おっいいケツ」
霧「アンタはアンタで何しにきたんですかァアアア!!??」
 
ないなって思ったし無理って思ったしイヤすぎるわって思った。やっぱり年齢差が開いてないの痛い気がするなあ。
 
あっ!ただ、沙霧と捨の百人斬りは私の夢だったので、男になったとはいえそれがかなったのはうれしかった。本当にものすごく動けるので、見ていて連携プレーが気持ち良いの!!良かったなぁ……
 
今日近くの席から見たら表情がとてもよかった!
台詞だけ見ると棘のある言葉や行動が目だってしまうので、近くの席で見ることによってかなりイメージが変わるなぁ、もったいないな…と感じちゃいました。近くでみるとかなり表情での演技・苦悩や怒りや喜びころころ変わってて、なんかそこに沙霧に面影を見て……ちょいロス覚えた……。霧丸くんのこと好きになっても沙霧ロスが晴れるわけじゃないんですよ!
 
霧丸が男になったことのメリットとして「地の男」の捨之介と「土の民」の霧丸が協力しあって、ニコイチで天魔を倒す感があるのがいいなと思いました。「天魔王を殺す」ために動いていた彼が「捨之介を助ける」ために城へ行くという変化も、「変われなかった」という色合いがシーズン中でも特に色濃い月蘭・月天と合わせて見るとかなり救われた気持ちになる。
これが主流になっちゃったら寂しいけど、今回の捨之介との相性としては今回の霧丸も良いのかなーと感じるようになってきました。ウウウすみません沙霧ロスを引きずっていて……。
 
しかしやっぱり……霧丸のほうが捨より強そう問題は深刻だと思う…笑
 
■兵庫
ワカドクロを見て予習してくれた感がする!!!(気の所為かもしれない)
顔…小さいですね…(3人目)
とても器用にこなしてくださっていた印象です。霧丸同様安定感があった。やっぱりテンションが高くて若い兵庫って、いるだけで舞台が華やぎますね。前回がちょっと異色の、すん…とした兵庫だったので、こっちもこっちで差異が楽しめて嬉しいです。
 
難点としては、役者の年齢に開きもないせいか、霧丸と立ち位置がかぶってしまいがちかな〜と感じました。
極楽との年の差をものともしないスタイルにも、ま、まじで〜!?wwwwwって感じ。でもここまで思い切ってると、私としてはすんなり飲み込めるな。
 
最後カテコで、絶対に極楽のお衣装の裾を持って出ていってくれるのがかわいくてかわいくてかわいかった……あそこを見て「え〜完全にアリ 今回の兵極アリアリのアリ〜」って頭どろどろになっちゃったよね。
 
 
■極楽
聖子さんの極楽をこの目で拝める日が来るとは思っておりませんでした…!!!!!!!!
 
蘭や娘たちを自分の我が子のように、お母さんのように接して守っていこうとしている姿が、これまでにはない極楽像でよかったなぁ。極楽太夫、というよりほっとする実家のカーチャン感が出ていますが、でも髑髏においてはそういう場所こそ「極楽」かもしれないよね。
 
蘭とは恋仲ではありませんでしたが、まるで親子のようだった点が逆に、二人の別離の辛さを演出していたと思います。蘭はきっと極楽が積み重ねたものの結晶だったんだろうし、それが転がり落ちていって悲劇を起こすっていうのは、これまで極楽がしてきたことへの否定にもなるわけで……。
 
あと、家康を叩かないの新鮮でしたね。歳を重ねた極楽だからこそ踏みとどまれるというか。蘭のことも「好きにおやり」って気持ちがどっかにあったのかなと思います。でもその結果娘のように思ってた子を息子に思ってた子が殺していくという事態になったわけで、もうやりきれないし死んでしまいたいよな…って思う。
なんかもーーーーーーーーーーーーーーー ほんとに辛かった……。
 
二回目見て一番「ヤバイ好き」度合いが増したのここだった。
え???めっちゃ良くない??わかってたし知ってたはずだけど改めてめっちゃ良くない?????
聖子さんはいつまでも美しいけど、とはいえこの年代の極楽というのをどうこなされるんだろうという気持ちがなかったわけではなく、でもすごい。この極楽わたしめちゃくちゃ好きだ……。
 
多分月の無界には極楽より美しい娘はいくらでもいて、それは無界の人たちも、極楽本人もわかってるんだと思うんだよね。でもあの明るさと、周りを気遣う心とカーチャン感・安心感はやっぱり唯一無二で、その生き方の美しさを「関東一」と呼んでるんだと思う。「人の器量」で全てを図る里だもん。若さ・見た目の美しさだけで評価されないのは女たちも同じなんだ。
兵庫が極楽を好きになるのは無理があるんじゃ、と思ってたんですけどこの極楽を見たうえで、兵庫が「日ノ本一のきれいな背中だ」って言うののを聞いて、ああもう異論ない。納得できる。って腑に落ちた。兵庫は極楽が「背負っているもの」に惚れたんだ。極楽太夫がこの里を背負って立ってそれでも強く笑っているところにどうしようもなく惚れてしまったんだな、と。
 
あともう一箇所好きだな、って思ったの。蘭の呼び方。無界襲撃の時も「蘭兵衛」と呼んで次には「蘭兵衛さん」と問い直すじゃない。「蘭兵衛」は彼の母親みたいな気持ちで呼んでるんだろうし、「蘭兵衛さん」は一緒に無界の里を作ってきた仲間として呼んでるんだろうし、蘭に対しての二つの側面を使い分けて、どっちでもいいから戻ってきてと祈るような極楽はとてもつらかった。本当に辛いよ。この極楽はそりゃ死んじゃおうって思うよ。だからこそ、その極楽に「あんたを追い越す」とまでの遠い未来を語った兵庫がピッタリなの、異論ないですよ。
聖子さんの極楽を見るのは三回目(生でははじめて)だけど、月髑髏の極楽が私にとって一番好きな聖子さん極楽になりそう。すごくすごく好き……。
 
 
■渡京
なにその青メッシュ なにそれセクシーすぎない????????
そろばんは残念ながら封印でしたが、覚悟してたより出番普通にあってよかった……。
 
しかし鳥は演劇おじさんチャンピオン祭りだったから違和感なかったけど、月のなかにいるとさすがに「何故この若者のなかに紛れこんで…」って気持ちになってきますね。なんでだろ……若い男の子たちにお蕎麦を振る舞いに着てくれたのかな…????
けっこう上弦は声が似てる人が多かった?ので、そのなかで粟根さんの声聞くと、あまりに特徴的でわかりやすくってありがたかったです。粟根さんのお声本当に好きだな。
 
■生駒
不肖山本カナコさん大好きオタク狂喜乱舞。カナコさんもお声が好き……見た目とのギャップ…。
ていうか太一さんと山本カナコさん絶対舞台で絡むようになってるのなんかめっちゃ嬉しいんですよね。本当に全部絡んでる。
カナコさんの生駒が可愛くて本当に好きなんですけど、だからこそ今回の改変…自分から死んでいく生駒はウウッとなった……。風は天魔王様のためなら虫けらのように死ねる、って女が側近だったんだろうけど、月の生駒はワカの将監みたいな…ちょっと保護者のように思ってたところもあったんじゃないかなー。
なんとなく、月は極楽⇔蘭と天魔⇔生駒が対になっているような気もしました。天魔が望んで殺した生駒と、蘭に望まれて殺した極楽みたいな……。
 
要所要所仲良し要素が多すぎるせいで、殺した時のなんでそんなことすんの感が強かった。太一天は殺して一時間後には生駒〜って声をあげて呼んで、生駒が来ないことに駄々こねてから「あっ殺したんだった」って気づきそうなところがありますよね。
 
■仁平
あのシーン!!!!!!!!!上弦見てて一番会場湧いたと思ったし私もゲキアツだった。
やっぱ鎌は磯平の得意技なので、仁平には鍬で戦ってほしい欲あったんですよね!!!
てっきり今回は兄さかな〜と思ってたので、おっとうだったのにはビックリしました。うんうんでも、もうおっとうって年齢差だよねえ……。
本当に安定感抜群だったので見てて安心できた…。
 
■鴈鉄斎
なんかすごいかわいかった……最近暴れん坊ばっか見てたから…???????????
あんまり害のないタイプの変態でよかった(そうかな??)
鴈鉄斎の出番減っちゃったらやだな〜と心配してたんですが、心配いらないレベルで普通に出番あった。なんでー!!!これならビジュアルにがんてっちゃんも入れてーー!!!!ドンドンドンドン!!!!
 
■狸穴
今回は狸穴の陰いつもより薄めかな?と思ったけど、風が狸穴フューチャー髑髏だったからそう思ったのかもしれない。
いっけいさん!!!舞台でははじめて見たんですけど、当たり前のように馴染みますね。いやほんと…当たり前すぎる当たり前なんだけどね…馴染むっていうかまあ…馴染むどころの話ではないんですけどね…。
いろいろと変動のあったキャラのなかで、狸穴はいつもどおり狸穴だったので安心して見れました。
 
 
全体的には、月は超ワカドクロとなったことによって人物のキャラ立てがやり辛そうだな〜と思っちゃいました。
やっぱり髑髏って最初に見た髑髏にスタンダートを置いてしまうので、見ている側としてもいろいろ気持ちの整理が難しいですね。髑髏見ていると「オタクとして楽しい」と「観劇として楽しい」の二つの感情があって、月は前者としては楽しかった(捨之介周りに関してはオタクとしてしんどみがあったんですが…)のですが、後者としては現時点ではいまひとつかな…と感じたかな。
宛書きではないので、役者さんの肉体・声・動きとキャラをすり合わせる労力がいつもの非ではないと思いました。その他、2.5にあわせる都合かな〜と思うような変更点がちらほらあり、それが違和感を産んでしまっているように見えてしまった部分があったのも否めず、なんとなく商業都合を感じてしまった点は、気のせいであればいいんですが、、どうかな……。
どの役者さんも「髑髏城をやろう」と精一杯頑張ってらっしゃって、だからこそもうちょっと肩の力を抜いてもいいんだよ〜…みたいな気持ちになってくるのかな。演劇体験としては鳥髑髏がほんとうに楽しかったんですが、あれは髑髏城というお庭のうえで役者が好きなお花を持ち寄って植えて、一番目だったやつが優勝!じゃあ俺はラフレシアな!!みたいな…そういう空気が好きだったんだと思います。勿論、それはベテランが多いからできることであって、まして初日近くの今では難しいだろうけど……。
 
やっぱり髑髏城をいっぱい見ちゃうっていいこともあれば悪いことも多いですよね。
どの髑髏城を見るときでも「記憶消してこの髑髏を一番最初に見てみたかった」って気持ちになるな。今回も思った。この髑髏城の七人月は髑髏城の七人月であって、それ以外のなにものでもないはずなので、単品として楽しめるぐらい早く月で脳をじゃぶじゃぶにしたい……。
 
でもねーーーーーーーーーーーやっぱりねーーーーーーーーーーー
沙霧が恋しいよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!笑
 
とはいえ今週末も上弦増やすかと思ってるレベルで堪え性ないし上弦楽しんでます。イエーイ!!!髑髏城楽しいーー!!!!!!!!私はDDD(髑髏城 どれでも 大好き)〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!
 
↑↑↑
 
宣言通り増やしました!!!!堪え性ないです!!!!次は週末に下弦だよ(^_-)-☆
正直上弦髑髏くん荒削りでハラハラするんですけど、めっちゃエモいんですよね。私が髑髏城を好きなのはやっぱり「エモい」からなんですよ。演出の好きさとか話の作りとか完成度とか、そういうものを重視するならもっと他のいのうえ歌舞伎でいいなって思う。髑髏城はあっちを立てるとこっちが立たない厄介な演目で、結局どこかはほころぶし歪になるんですよね。
でもそこが好きで、なので上弦髑髏の正体不明のエモさが刺さってるところありますね……。
 
上弦捨天蘭全員「純すぎて危うい」という空気感なので、なんかちょっとしたハラハラ感すら胃がキリキリする圧迫感になってくる。これは上弦独特のカラーになっている気がします。いや、覚えさせちゃいけないハラハラ感もだいぶ…あるし、それはなんとか…どうにかして欲しいんですけど……でもこの危うさがあるうちにしか出せないものもあるって私知ってるよ……。
 
局私は髑髏っていうかいのうえ歌舞伎に漂う「変わらないものは変わらない」という清々しいほどの虚しさが好きなんで、くるしいし辛いけど天魔と蘭が清々しいほど「変わらない」まま死んでいき、それによって捨之介が敗北を喫してしまうという月髑髏の構造は……すごく好きになってきちゃいましたよ……。(ちなみに下弦は役者の肉体・年齢とキャラが上弦よりも脚本に寄り添っていそうなので、物語の再現という面でとても楽しみにしています)
 
でもね でもねーー 衣装はどうにかしてほしいよ!!!!!wwwwwwwwwwwww
前回は遠かったからあんまり気にならんかったけど、近くで見るとマジ!?ってなる衣装けっこうあったよ!!!!この際はあとはいいんだけど蘭兵衛さんの一着目だけはもうどうにかしてww兵庫と並ぶとガチャガチャしすぎて柄シャツの派手さで戦う工業高校のヤンキーだから!!!!!
 
あとこれ下弦はどうかわからないけど、やっぱ年齢差はもうちょっとバラけた方がいいと思います。年齢差があんまりない人たちが並んじゃうと髑髏城の持ってるいろんな出自の人々が〜…感が薄れてきちゃうんだなあ。上弦は声が似てる人も多くて「えっ今誰喋った?」みたいになりがち。ステアラの音響良くないからなおのこと。初日とか「えっ今の三浦くんしゃべった?太一さん?」ってなってたもん。さすがにそれは私の耳が悪い。はい。すみませんでした。
 
いやーーー
髑髏城楽しい……髑髏城楽しくない?
髑髏城って楽しい……すごい……足りない…足りないなら足せばいいって天魔王様がいってた……
 
 

風髑髏見てきたよ!!の感想

9/17のソワレ見てきました。
感想を残すか悩んだのですが、鳥髑髏を初日〜楽まで追って、そのあいだになにが変わったのかとかどういうところが進化して、こういうところが変化して…みたいな話をよいのもわるいのもどんどん忘れていったので、(自分にとっての)よいもわるいも残しておくことにしました。
 
当たり前ですがめっちゃネタバレ有りなので未見の方にはオススメしないです!!!
 
 
 
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髑髏城の七人風っていうかけものフレンズ。髑髏城フレンズ。ウェルカムトゥようこそドクロパーク。色彩めっちゃ暗いけど。髑髏城の七人鳥はけだものフレンズって感じだったけど今回はけものフレンズって感じでしたね。ほんとどうぶつ奇想天外状態だったしこれ髑髏城の七人狸に改名したほうがよくない!!!!!!???みたいなみたいな。
 
作りとしては一人二役の復帰なんですけど、「ウワッ!!!!アカ!!1997!!アオ!!…ワカ!!!!???」って気持ちがめっちゃ忙しくなるのでドクロジョーオタクは心臓3つぐらい持っておいたほうがいいと思いました。とりあえず普通に髑髏城見るようの心臓と過去髑髏に抉られるようの心臓と予備用のやつ。順番にパーンパーンパーンッ!ってなってステアラ荒野で死ぬから気をつけたほうがいいので持っていってね。約束だよ!
 
全体的に衣装・舞台・音楽など、おどろおどろしさを感じるほど無骨。アカでもこんなに暗くなかった気がする。時々「蜉蝣峠だったっけこれ」と思うレベルで色彩が暗かった……。アカの無骨さにワカのソリッドさをぶっこんでダバーッと豊洲に垂れ流したら風になるかな。
 
お芝居の味付けとしてはやっぱりアカに近いのかなーと思いました。
やっぱり花鳥って、ワカをやった上で得た新しい髑髏城、の路線を貫いてたと思うので、ここでいったん2004年代の髑髏城に引き戻されるって感じですね。でも、ところどころ「それでもこれは今やってる髑髏城なんですよ」といういのうえひでのり中島かずき神の意志を強く感じる部分もあり、回帰というよりも私は橋渡しの髑髏城に思えました。初演〜アカアオまでと、ワカ〜鳥の間にどことなく存在している(と私が感じているだけかもしれない)断絶の橋渡しのような、ミックス髑髏城というかー……。いろんな要素を壊して崩して打ち直して組み合わせて、そうして出来上がったものに新しい風という味付けをしたスクラップ&ビルド感。原点回帰というのも、集大成というのもなにか違うし、私としては「めっちゃ挑戦的だなぁ……」って気持ちで観ちゃってた。個人的には鳥よりも挑戦しまくってると思います。一人二役といえばあのオチ!っていうアレが覆されたのはびっくりしたし気持ちよかった。そうかぁ、これ、新しい髑髏城なんだな〜と。
 
一人二役の醍醐味として、早変わりであるとか、「えーーっ!すげーー!」と思うようなギミックも盛り込まれており、そういう意味ではより歌舞伎的かも。あそこ…あの、あそこ、みんな「えっ」て思いましたよね!?わたしは全然気づかなかったのでええーっ!って思ったし、天魔死に際のアレも「ええーーーーっそういうことしちゃうんだーーーっ」ってビビった。いのうえひでのりの手のひらでコロッコロされるのた〜〜のし〜〜〜!!!
 
ここからは一人ひとりへの感想です
 
■捨之介
はーーー どうなるんだ?と思っていたんですけど思った以上に前世(蒼の乱)からいらっしゃった感じだった。だいぶ松ケンのお芝居によったタイプの捨之介になっててよかったと思います。
鳥捨がめっちゃ好きなこと…は…真実なんですが…一方であの黒装束をいっぱい見たあとに白着流しふんどし太もも大サービス捨見ちゃうとうんうんうん!!うんうん!!!(脳汁ダバー)みたいになりますね。あと今回アクションおもしろい。身のこなしがひょひょいとしててあーースッパならたしかにこのぐらいできるできるって思える。(忍設定今回あったか忘れたけど…)
太ももサービスほんと激しくて戸惑った。一回百円ぐらい取ったほうがよくない?ロビーのマツケン人形の背中あたりに穴あけて募金箱にしたら最終日までにはいっぱいになって貧しい土地(市場前)に学校が建てられると思う。学校はいいのでコンビニ作ってくれ〜。
これまでの捨之介って「地の男」って言われても、こんな華やかな男が地に潜っても大目立ちでしょ……花捨とか草原歩いてたって赤絨毯が見えるし…って思ってたので、今回の捨之介がふわふわ喋りのちょっと抜けたとこある天然ぽい捨なのおもしろいですね。デカい…けど、地に潜っていたと言われても納得できる。デカい…けど。
女たらし復活なのかな〜とか思ってたけど、後半につれてあんまりそういうアピールもなくなり、助平感は全然なかったので玉転がしではないかなと思いました。女とか戦場より……草原が似合うよ。そりゃ蒼真も「お前の生きる草原を守りたい」って思っちゃうよな〜〜〜あっこれ髑髏城の七人でしたね。
正直なところまだ方向性自体は定まりきってない印象を受けましたが、とにかく純朴で心優しい捨な気がしました。鳥が「忍」に極振りした捨だとすると、風は「地の男」という人間にシフトしてたかも。天魔と一人二役だからなおそう思ったのかもしれませんね。
 
■天魔王
ウオーーー!あんまり仮面とらない天魔王だーー!!!!
一人二役髑髏城をこの目で見るのははじめてゆえ、二幕で仮面を取ったら松ケンの顔が出てくるところアドレナリンが出ました。すごーーい!!ほんとに一人二役だ!!って感じ。
最近人外みたいなビジュアルの天魔ばっか魅せられてきたので、普通に人間というか信長…だ…って感じの天魔が出てきたのはビックリです。なるほどね、そりゃビジュアル出さないわ。
久々に正当な、狂気とは違った「怖い」を感じさせてくれる天魔王…天魔王様…天魔王様!!を見せていただいた。小物感もなく、どっしりと構えた圧倒的ヒールの天魔王様。カリスマですよカリスマ。ちゃんと日本語喋るしすごい。
やっぱり松ケンがデカいので、デカい天魔が強そうな鎧でばしゃばしゃ人を斬ってると「こっわ……」と感じますね……。天魔王は絶対的悪役で悪いヤツだったという、髑髏城を繰り返し見てると忘れがちなことを思い出させてくれる。あんなん絶対相手にしたくない……信長の顔知らなくてもあんなやつ見たくない…怪獣じゃん…。
正直あんまり細やかな表情とかまで見れなかったので、次はもっと天魔王という人間を見たいですね。やっぱどうしても捨を見ちゃうので……。
 
■蘭兵衛
フレンズのお蘭ちゃん!!!!!!!!!!!!!!!!
ワカ蘭か?ってぐらい尖ったナイフの如し冷徹ぶりだったんですけど、その割に細かい動きがちょこちょこしてたりしてて可愛かったのでフフッwwとなってしまうし、激チョロだったのでもっとフフッwwとなってしまう。舞台の上のかわいい子猫ちゃん枠だった。
しかし黄泉の笛で歩いてるだけで敵が飛んできて剣に刺さるのはどういうこと…!?やっぱり顔が小さいから!?って焦りました。キッスも二回あったし…顔が小さいから二回ぐらいやらないと夢見酒一発okの自信なかったのかな?みたいな…いやホント顔小さいヤバい…オペラで見ても表情よくわからなかったもん(?)
冗談さておき、口移し二回あったのビビったんですけど、今回「織田信長」を強調した天魔王だったからなんだろうなぁ。最初のキッスで心を奪い二度目のキッス(夢見酒)で完全に奪う肌に無理なく深剃りがきく……。愛する人と同じ顔をした男にはもう全然まったく抗えないんだなと思いました。
 
今回の蘭史上最強に心閉じてるな…いやワカと同じぐらいかな…瞬間湯沸し器のワカvsテンションの心肺がずっと停止してる風って感じ。そのくせ極楽のこと抱きしめるの最高に最低でしたね。絶対愛してないじゃんっていう。なんならこの蘭、雑賀の女たちを抱え込んだ理由は「彼女たちが戦力になる」だったからかもしれないよねっていうレベル。信長以外への誰にも、未練も愛も持ってないので落ちる気もマンマンじゃ〜〜ん!!
でもそんな蘭でも髑髏党入ったらイメチェンがんばって眉毛剃ったりしちゃうんだなって思うとかわいい。完全に一部のシーン見てるあいだ、動物がかわいい動画見てるような気持ちだった。ふふ…懐かしいなこの隙ある感じ…(アオ)っていう……。本人は自分の掲載誌ヤングマガジンだと思ってるかもしれないけど!ねこのきもちに掲載されてますよ!
 
あっビジュアル。ビジュアルはもうやっぱすご〜い。は〜すご…顔ちっちゃ…スタイル良…を噛み締めてしまった。お衣装最高〜〜〜〜!!!!!最近ちょっと強そうな蘭(わたしとしては鳥蘭のこともだいぶゴリラだとおもっています)が続いていたので、久々に儚げな蘭が出てきてそうそうそうそう実はそうだった!!って心のなかで膝を打っちゃいましたよ。
 
■沙霧
かつてなく「女」でちょっとビックリした。
捨のことめっちゃ好きそうでかわいい。私としては少年のような沙霧大好きなので、今回のちょっと恋の駆け引きとか知ってそうな沙霧は、沙霧の親戚の立場からすると寂しいんだけど、でも捨がぽわわんとしてるのでちょうどいいかな!
けっこう動ける沙霧だった!!!今回は一人二役で沙霧の担う役割も変わってくるし、後半がすごく楽しみです。要所要所うぉっ…と思う点があったので楽しみ。
 
■極楽
うわっこれまた懐かしい路線の太夫だ…と感動しちゃった。
自分としてはかなり良かった!し、もっと良くなりそうと感じた太夫でした。
ただあの路線でいくなら、全体的に衣装もっとかわいい系でもよくない?とかは思っちゃう。かわいいんですわ今回の太夫。そりゃライトふりたくなるよね、っていう笑
あと、ちゃきちゃきしてる極楽が蘭みたいな男に引っかかっちゃうのか〜!?っていうの世知辛い。全体的に生命力強かったから最後死のうとするかな!?とか、最近の極楽要素と過去極楽要素が混じりあうことによってわりと混乱しちゃう気がしました。
 
■兵庫
山内さんの兵庫ってどうなるんだ!?と思ってたら、想定以上に山内さんの兵庫がでてきた。
今回の風、周りの熱量がわりと低めなので、そのなかで兵庫までスンとクール系になってしまうとちょっとのっかれないような気もします。でもクールバカの兵庫っていうのはやり遂げたら絶対おもしろいからここからどうなるか楽しみ!
くんろ日替わりにするみたいだけどネタ持つのかな!?笑
 
■鴈鉄斎
橋本じゅんオンステージ始まったって感じ。
ツッコミ不在でややしんどそうだったけど、じゅんさんがいつもどおり???で??なによりです。風見終わったひと絶対一定数は蕎麦食べたでしょ。食べたくなるわ、蕎麦。ずるいわ。あの百人斬り。
あとさぁ……黒魔鬼はずるい。
 
■三五
正直言っていいですか!!!??喋った時めっちゃほっとしたwwww
今回三五ちゃんが喋るともうそれだけでほっとしたし、花と同じ役をやりつつ、また違う役だったのでウオ〜三五ちゃんやっぱり好きだ〜〜;;;という気持ちになりました。狸駆使しすぎなんだよなぁ。
 
 
 
以下はあんまりよくない感じの感想となってしまうので、読みたいかただけドウゾという感じです。
でも初見の方にはあんまり先入観を持たずに見てほしいので、もしまだ風見てないけどこれ読んでるよって人いたら、見終えてご自身なりの「良かった悪かった」を体感したのちに読んでいただけると、私としても嬉しいです!これ、髑髏城の七人風見ないでねの文章ではないので。。
 
 
 *
 
 
結論からいうと「やりたいことはわかる」に現状は尽きるという感じ……。順番もよろしくないというか、花でおいしい月見うどん食べさせてもらって、そのあと鳥で天ぷらマシマシのうどん(天ぷら多すぎて麺まで食べられなかった)いっぱい食べて、風ですっと素うどんが出てきた感じ。いや……わかる…出汁で勝負…秘伝の出汁でね……おいしいよね素うどん…そうなんだよ素うどんはおいしいはずなんだけど…いかんせんまだ出汁が出きっていないのでひたすら地味に感じてしまうところがもったいない…。
 
まだあけたばっかりだししょうがないんだけど、役者さんにクールな人が多いのか、いまいちボルテージが上がる様が確認できなくて、生で見たはずなのにゲキシネで見た気分だった。とはいえ表情アップとかないので定点カメラの映像ってほうが正しいんですけどね。髑髏城見てるとグワーーッとお芝居の拳に頬を殴られた気持ちになるんですが、今回は割とさらさらっと流れてしまって、あれ…そういう意味で風…?か…?これが正しい気持ち…?と不安になったり……。
 
むかいり蘭……が動けないのはもうしょうがない!別に蘭って動くキャラでもなかったしね!って思うんですけど、じゃあ天魔に「ヒリヒリした命のやりとりがうんぬん」言わせちゃだめじゃない!?とか、蘭この立ち位置なら二番手じゃなくてもいいよね!?みたいな、蘭に対する消化不良が残ってしまう……カテコ曲が蘭である必要性をまったく感じなかったんですよね……いやだって別に…どの役者がどういう風にやろうと蘭って主役でもなけりゃ敵役でもない永遠の三番手(これでも番手めっちゃあがってる)だと思うしなぁ〜。
風はこの「蘭の置き所」に困ってる感が一番しんどかったかもしれない。役者が悪いといいたいわけではなく、そもそものコンセプト……?この路線ならもはや女蘭でもよかったのでは?と思わなくもないところがある……。
 
次の登城までは間が空きそうで、早くてライビュになるかもなのでそれまではみなさんのレポを拝見しつつ、楽しみに待ちたいです。でもこれ、ホントやり遂げたらすごい髑髏城になると思うし、私の大好きな髑髏城になってしまうと思う!そうなると今度はチケットのために財布捨之介でしんどいんですけどね……。
 
 

総括 髑髏城の七人鳥お疲れ様でした最高でしたの感想!

 

風もう吹き始めてる!!!!!!!!!(いま9/16日)明日登城します!!!!!!
髑髏城の七人鳥ほんとうにほんとうにおつかれさまでした!!!!!!!!!!
心からサイコーでした!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
 
髑髏城の七人2011のゲキシネから髑髏及び新感線にドボンした私としても、この鳥髑髏は「ついに来てしまった未来VS太一の髑髏城……」という感じで、見るぞ見るぞ俺はゴジラVSガメラを見るんだよ!という気持ちで襟を正しに正して挑んだ次第でありました。まだ月にタイチサオトメを招集されるとは思っていなかったのでッシャ!財布を三途の川に捨之介よ!!カンッ!!ぐらいの気持ちで……消えた諭吉には後悔ないけど、弱いので腰は痛くなりましたね。人は悲しいなあ……三時間座り続けていれば簡単に人は腰痛になる……たぶん月が終わった頃には財布も腰も無界襲撃後みたいになってるぞこれ……。
 
いやーもう、鳥髑髏。まず阿倍サダヲ捨という時点でいったいどうなるんだこれは…?本当に髑髏城か…?と震えたんですが、実際初日登城して幕間でも、同行の髑髏党員と「これ本当に私の知ってる髑髏城?」って震えることになりました。「今回は本当に蘭兵衛さんが天魔倒しちゃうかもしれない」って震えてたよ。
タイチサオトメのオタクと一緒に向かったので、蘭兵衛さん登場手前になると手を握り合ってしまったんですが、もう絶対蘭兵衛さん登場でしょって思ったら歌が始まってオ……オオ……ショーアップ…って思いながらつないだ手を離せなかった。手はそのあとオペラ出すときまで繋いでた。
 
でもねぇ、見れば見るほど「髑髏城」だなあこの作品という感じで、むしろこれまで見えていなかった髑髏城という作品の、素地の部分まで見えてくるような。一見派手でありながら味わい深い髑髏城だったと思います。鳥髑髏。
鳥が始まる前になるしさんが和らげたいといっていた「滅びの美学」がものすごく薄れていたのがほんとうに印象的だったな。
私は滅びの美学ムンムン・悲劇のワカドクロも大好きなんですが、鳥髑髏のスタンスもすごく好ましいと感じました。昔から知った顔の仲間が死んでしまっても、その数秒後にはギャグで笑っちゃうとか、そういうのが鳥髑髏で提示される「生きていく」ってことなんですよね。天も蘭も決して美しく死のうとしなかったのも、そこにつながるからなのかなと。どれだけ辛くても泥に塗れても、誰かを傷つけない正しさを貫く捨之介が圧倒的正義であるということが、きっちり描かれていてよかったなぁと思います。
 
花が天魔王が絶対の悪・捨之介が絶対の善として描かれていたのもあいまって、鳥髑髏の「どちらが善なのか」やや危ういところがある部分も、とてもよかった。もちろん捨之介が善で天魔王が悪なのだけど、捨之介も一歩間違えていたら天魔のようになったかもしれない、と思わせる部分がチラホラと過るところが、すごくすごく良かったなぁ〜と思います。この味は、鳥髑髏にしか出せない味だなと。
 
歌あり踊りありアクションあり!ショーアップの髑髏城!と始まった鳥髑髏でしたが、終わってみるとものすごく泥臭い髑髏城だったなーという思いもあり、ものすごく不思議な後味です。突き抜けた「おーーーもしろかったーーー!」という爽快感もなく、ワカの後の「な、なんかものすごいものを見た…」という重苦しさもなく、でも不思議と清々しい髑髏でした。花を見た時に「入門編として適切すぎる…」と感動したんですが、鳥は確かに入門編としてはちょっとどうかな?と思い、髑髏シリーズの一つというよりも「髑髏城の七人鳥」という独立した芝居として見るべきな一本だったようにも思えます。
とはいえ、主役のキャラ性がこれだけ変わっても「髑髏城」としての面白さをきっちり貫けるんだなあと思うと、改めてこの演目の素晴らしさを思い知らされます。
細かいこと抜きにして語れば「とっても楽しかった」です!ありがとうございました!
 
以下はキャラひとりひとりについて〜
 
 
【捨之介】
サダヲがやる捨!想像はつかないけど良くないわけがない!と思っていましたが、本当に…なんというかピタッとキッチリとこなしていただいてしまった…みたいな感覚です。
終始、ほぼ黒尽くめで、決して身長も大きくなく、またとくべつ華やかな顔立ちというわけでもなく……なのに目が行く。ぱっと見て「あっこの人が主役だな」ってわかる。本当にすごい俳優さんだなぁ……と噛み締めてしまいました。。朧の森もレッツゴーも大好きなのですが、髑髏城に来るとは思っていなかったため、この回るステアラで動くサダヲさんを見れたのは本当に幸甚。

いつも「捨之介」というキャラクタは自分を犠牲にしてしまえる危うさがある人なんですが、今回の捨は、道を少し間違えばふらっと悪に落ちてしまったかもしれないような、そんな危うさまで感じてしまうところがあり、一方で昨今の捨ではやや薄れていたおふざけ要素は強まっていて、こっちの感情がガンガン揺さぶられました。
忍の者としての側面が強化されたことによって、より「地の男」感が出たと思うし、あとですね、今回の捨之介は「捨之介」という単独の人間ではないと思いました。これまでの髑髏城って、捨之介とその仲間たちVS髑髏党って構図だったと思うんですが、今回の鳥髑髏は、捨之介は「仲間のうちの一人」に過ぎなかったと思います。だからこそ、天魔王の眼中にもなかったし、百人斬りは全員で戦って辿りついた。
これまで地に潜み、うつけの振りをしてひとりきりで戦い続けていた「捨之介」が仲間を得て、「七人の中の一人」になるというストーリーが、髑髏城の七人鳥のキモだったのではないかと思います。一人じゃ倒せなかった相手を、みんなでなら倒せるというメッセージ性がことらさに強まっていて、これは鳥にしか出せない色なんじゃないかな〜と。

捨の最後を飾る「柄じゃねえよ」は、元は「柄じゃねえよ」といいつつ満更でもない、みたいなニュアンスを含んでいたのかなぁ…なんて妄想しているんですが、今回の捨は「柄じゃねえよ」がピッタリとハマっていて、これはサダヲさん演じる鳥捨にしかなし得なかったものだと思います。
これだけ異色なキャラ設定ながらも「捨之介」として成立しているあたり、本当に素晴らしいバランス感覚だったなぁ。

・しかし「捨……ひとりぼっちで可哀想に…」という思いを深めていたものの、だんだんと豊洲のステアラが下北のスズナリに変貌していくにつれて「なんやこいつ友だちとめっちゃ楽しそうじゃん」という風に思えてきたところが また お芝居のゆらぎ感あってよかったです(適当)
・天魔の鎧をかぶせられて捨がでてくるシーン。ワカ花は「ヒーッwwwww天魔王デカいwww」って喜んでたんですけど、鳥は「ヒーーッwwwかわいいw」となってしまった。これもまた新鮮な感想。
・初日(だったっけ…もしかしたら7/1かも…)のラストで「秀吉に楯突くやつを信長は許さねえ!」と急に信長巻き込み事故ってたのはメッチャ面白かった。
・捨がけっこう上になったことによってなのか?蘭に大してお兄さんぽい言動が多かったの良かったな―と思いました……。一幕で天魔に惑わされた蘭を庇って、天から引き離してくれるシーンとかものすごくよかったので、収録には間に合ってないのが残念でなりません。


【天魔王】
初日は…初日は日本語しか喋ってなかったんですよ本当なんですよ!!という私の訴えを、初日見た人以外信じてくれなさすぎると話題。バッド…本当にジャパニーズオンリーテンマオーだったんですよ初日は……。

鳥天魔のビックリポイントと言えば、敦盛がないという点かなと思います。天魔王ながら敦盛を舞わないという点にはショックを受けたのですが(めちゃくちゃ見たかった)、見れば見るほど、ああこの天魔は敦盛を舞わないよなぁ……という気持ちになりました。
鳥天魔は歴代の天魔王のなかでも一番面倒くさい天魔王だったと感じます。かずきさんは戯曲で「蘭兵衛しか見えていない」と書いていましたが、それすらも嘘で、天魔王は蘭兵衛のことだって見えていなかった。最初から最後まで鳥天魔が見ていたのは織田信長ただ一人だったのでしょう。
めっちゃ焼き討ちするマン村燃やすマン(??)の織田信長を慕っていた天魔王にとって、晩年の(おそらく)蘭に目をかけてデロ甘になっていき戦国鍋TVのほうの信長みたいになってしまった織田信長は許せなかった。敦盛を舞って「人間五十年夢幻のごとくなり」とか言ってる織田信長のことウワッ…誰…知らない人ですこの人…って目で見てたんじゃないかなと。「百年生きてみんな殺す!!お前らぜ~んぶワシが焼き討ち!」ぐらい言ってほしかったんじゃないかと。

彼からすると、蘭は日和った信長の象徴みたいなものですから、そりゃーもう大嫌いだろうなーと思いますし、そんな大嫌いな蘭を傍に置きたがったのは、単に「信長をダメにした蘭を手に入れたうえで、手ひどく捨ててしまう」ということによって、完璧な「第六天魔王」に近づくための儀式だったのかなーと感じます。本当に蘭のことなんて、嫌い以外の感情は「どうだっていい」に集約されるんでないかなと。
だから、彼が敦盛を舞わないのは至極当たり前のことだと思います。また、無界襲撃の際、ワカでは天魔が言っていた台詞の多くが蘭に差し替わっていたのも、彼の性質を思うと納得がいくんですよね。天魔は家康のことだってどうでもいいんです。家康に執着しているのは、鳥髑髏においては蘭のみ。だから、家康を糾弾・挑発するような台詞の多くが蘭に渡ったことも納得がいきます。
何より「人間五十年 夢幻の如くなり 我ら天に生きるものが作るこの世の悪夢〜」が蘭の台詞になったのが、天魔が晩年の信長を慕っていなかったこと・家康に興味なんてなかったことを表しているんじゃないかと思う。

じゃあ信長に愛されたらオッケーだったのかというと、そういうわけでもなく、万が一可愛がられてたりしたらそれはそれで「えっ…無理…知らない人ですこの人…」ってなった気がするところもまた……め、めんどくさいな~~。
そう考えていくと、天魔が信長に優しくされなかった理由もなぁ……信長、天魔がそういう子って知ってたんじゃないの……知ってて冷たくしてたんじゃないの……という気持ちにもなってきますね……。
本当に面倒くさい男な気がするので、花天魔の潔いデストロイぶりを見習ってほしい。

挙動としてはユーモラスな部分が目立つ天魔王で、どこに本音があるのか分かり辛い部分もあるんですが、彼の本質は織田信長を愛していたというよりも「第六天魔王を信仰していた」に近しいんだと思います。新興宗教めいたことをしていても、織田信長の名前を騙ることはなく「第六天魔王」を名乗り続ける点からも、やっぱり彼が目指していたのは信長そのものではないよなぁ……と思ってしまうのでした。

これは余談ではありますが、ワカドクロにおいては天魔王は「森蘭丸」という人間自体を、天に近づくための仲間として欲しがっていて、対する森蘭丸は天魔王という存在を織田信長の代替として欲しており、天魔王という人間自体は見ていなかったように感じていました。
一方、鳥において蘭兵衛は「天魔王」自体を見ており(ただし蘭が見ていると感じている天魔もまた、彼の本質ではないのだと思いますが…)、対する天魔王は森蘭丸のことを見ていなかった。彼にとって蘭丸という人間はどうだっていいもので、織田信長の愛した森蘭丸、という存在になってようやっとはじめて、見えてくる人間だったような気がします。
奇しくも森山さん早乙女さんという同じ人間がキャスティングされたこの二つの髑髏で、関係性が真逆に入れ替わっているとしたらすごい…すごいな~…とひとりでに感動してしまうとかなんとか。ちゃんちゃん。

・生駒とのラップパートが収録に間に合わなかったのほんと残念だなー!あそこがあるとないとで生駒が殺されちゃったときのええっ…感がだいぶ違うと思います
・相変わらずのヒラッヒラマント捌き。生ミライモリヤマ初めてだったんですが、ものすご~く……動きがなめらか……体重を感じさせない…猫みたい?猫みたいですよね…
・蘭兵衛との最終対決時の、あの…どうなってんのそれみたいな打ち合い…あれだけでも13000円の価値ありましたね……。
・正直好きな挙動が多すぎて書ききれない……結構観たはずなのに「そんなことしてたんだ」と人のレポで気づくことも多いです。最後の最後までブラッシュアップされてたなぁ。

【蘭兵衛】
推し俳優の無界屋蘭兵衛 一億万点!!!!!ヤッター白い!!!
ビジュアルがね…パーペキでしたね。いや、最初公開時はまっしろだったので、まっしろ…まっしろって眩しすぎて直視できないんじゃない?って思ってたら銀混じりになってアア〜〜〜;;;下々の私にもちゃんと見えるお姿に;;;って感動しましたね。
衣装変え多くてすご…推し…リカちゃん人形か…?って感動した。所業を思うとリカちゃんっていうか呪いの人形だけど。
 
いやもう…誤解を恐れずに言うんですけど、今回の無界屋蘭兵衛は完全に「女」でしたよね。
私はあんまり、男性が演じる際の無界屋蘭兵衛というキャラを女だと思ったことはなくて、むしろ男であるがゆえにああなっちゃってる感も感じており、ところが今回の蘭は見れば見るほど「女性」だなーと感じました。
前半が普通にコミュンケーション取れる、それなりに楽しくやってる兄ちゃんぽかったせいもあるのか、口説き後の変貌が際立っていて、そしてあれを「闇落ち」というのはなんだか違うような……。私としては、蘭が落ちた場所は闇ではなく「己のなかの女性」であったように感じています。
別に蘭がトランスジェンダーであったとか、そういう話をしたいわけでもないのでむずかしいのですが……。要するに、鳥の無界屋蘭兵衛は男性が演じる蘭兵衛ながら最もオリジナル(女性の蘭兵衛)に親しい立ち位置なのでは、という風に感じたんですよね。すみません私は初演をドクロBOXの断片的な映像でしか見ていないため(アカは見てます!)これは完全に想像でしかないんですが。
 
そもそも無界屋蘭兵衛というキャラはものすごく女性的なキャラだと思います。いや、もうそりゃ当たり前な話で、大本が女性として設定されてるので。そこは、無界屋蘭兵衛というキャラの根幹として捉えても良い部分ですよね。蘭兵衛は「女性」だからこそ、愛する男のために全てを捨てて転がり落ちていけたわけで。その「情愛」を武士としての意地や、男としてのあこがれなど、さまざまな感情に置き換えながら男性版蘭兵衛というキャラクターは形成されてきた、と私は感じています。
花の蘭兵衛がものすごく興味深かったんですが、彼は「男性」の蘭兵衛なんですよね。おそらく殿に対しての感情というよりも、武士としての生き様を曲げられなかった結果、ああなってしまった蘭兵衛かな、と。この花鳥の差は天魔が蘭を口説く際の台詞にも如実に現れており、花は「本来なら信長を看取るのはあなたの仕事だった」と蘭を問い詰めて落とすのに対し、鳥は「殿がお前とひとつになりたいと言っている」と情を揺さぶって落とすわけです。
「あなたがするはずだった仕事だ」と「あの人がお前と一つになりたがっている」はまったく性質の違う揺さぶり文句であって、各天魔は蘭に一番効く言葉を選んでいるのでしょう。とにかく感情に訴えかけられることによって落ちてしまう。深い情愛が鳥蘭のなかには残されています。理屈でも義務でも敬愛でもない、情愛だと私は感じました。
 
今回の蘭兵衛は口説き後、沙霧に「蘭兵衛さん」と呼ばれても「その男はもういない」とだけかえします。蘭兵衛さん、がはっきりと生きている、というのは今回の鳥蘭においてのファクターです。蘭兵衛も、蘭丸も彼のなかに生きています。だから、蘭丸が無界の女を斬っている時に、蘭兵衛は女の顔を見ないようにと顔をそむけ、無界が燃えれば苦しげに壁に手をついて、耐えるような仕草をするわけです。ただし、これは「二重人格である」ということではありません。なんとも難しいのですが、蘭丸も蘭兵衛も、戦うことなく彼のなかで共存している、というのが正しいのかと思います。
この気味悪い相反が、ビジュアルの怖気立つような美しさと相まって蘭兵衛というキャラクタを彩っていたのが本当に印象的でした。どの蘭も凄まじいですが、今回はほんとうに、凄絶な…蘭だったなぁ……。
 
しかし本当に美しかったけど考えれば考えるほどひで〜男ですごい。なんせ織田信長と無界一の美女二股かけて、美女捨てて死んだ男の髑髏に走ってついでにみんな殺したんですよ。最強の傾城か?立てば姫騎士、座ればサークラ、歩く姿は殺人鬼。無界屋蘭兵衛はおっそろしい男だ……おら尻触っただけで…蹴り入れられただ……。
 
・もうその美しさについて語るのもヤボって感じですよね。は〜めっちゃ美し すご なに食べたらああなるんでしょうか。
・太夫の歌から笛を持った蘭が振り返る流れは、歴代黄泉の笛のなかでもトップクラスに大好きな演出です
・カテコでなぁ……無界の方角を見つつも、ふっと背を向けて髑髏城へ歩いていってしまう蘭が…本当に切ないんですわ……。今回は特に「無界を愛していた」のも事実なんだろうなぁ、と心から感じてしまったぶん……
推しのカテコ爆速帰宅レースが何回も見れるのは髑髏城の七人鳥だけ!!!!(なお月)
 
【沙霧】
ものすごく ものすごくよかった よかったです。
花の沙霧が個人的に大ヒットだったので今回はどうなるかな〜と思っていたのですが、いやいやものすごくよかったです。
花と鳥、どちらも捨と沙霧のバランスが良く、噛み合ってるなぁと感じます。
 
花の沙霧が本能に従うタイプの天才、という空気感だったのに大して、今回の沙霧は純粋に「知恵の働く」賢さを持った天才だったな〜と感じています。そのせいか地を這う捨之介とバディ感が出ていて、捨と沙霧でこの感覚を覚えるのは新鮮だな、と感じました。
好きなシーンはあげたらキリがないんですが、やっぱり御霊の森返しについて捨に説明するシーンの、本当に嬉しそうな「…ありがと」がとても良い。あれを聞いて沙霧を守りたいと思わない人間はいないだろう……。
 
沙霧は髑髏城の七人の、もうひとりの主人公で、それがどれだけ髑髏の形が変わっても揺るがない部分であってほしいなと思っています(月では霧丸くんに姿を変えるようですが…)。沙霧という名前の「沙」はですね、悪いものから良いものだけをより分けて残してくれる、という意味合いがあるんですよ。捨之介から「天」を振り払って、ひとりの捨之介という人間だけを残してくれた彼女にぴったりの、すばらしい名前だなと感じます。
 
最後の「もう、決めたんだ」という言葉の、決意を秘めた瞳!あそこ…すごく頭良さそう…ですよね……。捨のサポートをするってだけじゃない、城を建てるという「自分の夢」を取り戻した瞬間の喜びを感じて、ものすご〜く好きです。
これは花のときも思ったのですが、髑髏城って「大人の思惑・武士の都合」でたくさんの人がめちゃくちゃにかき乱されてしまう話なのですが、そんななか沙霧の「死にたくないし死なせたくない」というシンプルな子どもの主張が、彼女の賢い立ち回りによって大人の世界を破っていく様がものすごい爽快感だと思ってます。
沙霧がいてくれてよかったなぁ、と思うことだらけです。捨之介を頼んだぞ!
 
【兵庫】
正直設定変更のこともあり、かなり不安だったんですが、終わってみれば間違いなくこの兵庫こそが鳥髑髏のMVPであった!という気持ちでいるのでいやーーー本当に転球さん、すごい!
本格出演が初めてとは思えないほど新感線のカラーに馴染んでいて、あとね、こっちの情にガンガン訴えかけてくる芝居ぢからが…強い……。今回はかなり難しい兵庫だったんじゃないかと思いますが、その難しい兵庫をめちゃくちゃに好きになってしまったのは、転球さんのなせる技だと思います。
そういえば、今回は兵庫の年齢があがったことによって、荒武者隊が死ぬシーンの悲劇性が高まったような気がしますね。年を取った人間が残って、若い子が死んでいってしまう、という虚しさがあり、鳥においては捨之介も経験していることです。今回はやや……兵庫と捨之介の関わり合いが薄い髑髏だったとは思うんですが、二人の境遇が重なったおかげか、兵庫が捨之介を助けにいく展開に不思議と違和感を感じませんでした。
無界襲撃のあと極楽に抱かれて泣くシーンは、鳥でも一番グッとくるシーンです。エモーショナルに舞台を動き回ってくださり、本当にありがとうございました!
 
 
【極楽大夫】
ハマらないわけがない!と思っていたんですが、本当にピタッとハマってくれた。
ものすご〜く情が深く、懐が広く、姉御肌というよりもちょっと兄貴肌さえ感じるような極楽だからこそ、無界襲撃で崩れ落ちる里を見て慟哭する様が突き刺さりました。
今回の、かなり特殊な兵庫とのかみ合わせがものすごく良いなあと感じた。この極楽ならハゲてても全然受け入れてくれそうだよね。あと、登場時に「男前は顔じゃないよ心意気さ」と歌っておいて、本当に蘭から兵庫に変えたのスッゴイですね。太夫見る目がありすぎ。
 
極楽も、強かに見えて中身はだいぶ脆いんですよね。
蘭兵衛を追いかけることができず、立ち止まってしまうシーンの悲しさときたら……。そして、その背中を無邪気にも追いかけていく沙霧の朗らかさを思うと、彼女が大人の、分別のつく女性であってしまったがために……という気持ちになります。
「どんなあなたでも愛している」と歌っているころ、もう蘭の中の蘭丸はおそらく心を決めてしまっているんですよね……。考えれば考えるほど悲しくなるのでこの話はやめ!!!脱ぎっぷりが凄まじいせいでいつもヒエッと思いつつ、オペラそっちに向けちゃうみんなこの指とまれーーー!
 
【渡京】
ついに!!!ついに!!粟根さんの!!渡京!!この目でーーー!!!!!うわーーーーーーーー!!!
アオの黒びかりギラギラ感も好きだったんですが、今回の渋みが増した渡京も、たいそう色っぽいものでした……。なんですかあの黒手袋!!!!!狡いと思うんですけどそれ!!!
そろばん出てきた瞬間きたきたきたきたーーー!!わたし!!髑髏城見てる!!!!って思いを噛み締めたの私だけじゃないよね。なんなんだろうあの異様な「髑髏城見てる」感。
 
三五と違って、本能というよりも狡猾さで立ち回っているような渡京ですが、私は本当にどちらも甲乙つけがたくって大好きです。
月でまた見れるのを楽しみにしています。是非、もう一度手袋を!
 
【鴈鉄斎】
いやずるいでしょ。
花見たあとだと、あんなもんだよねってテンションにみんななるでしょ。それであの、豊洲を下北に変える大暴れぶりを見せてくるの、ずるいでしょ。
今回の鴈鉄斎全てがずるいのでずるいとしか申し上げることができません。もう、まずね。面白い。何やっても喋ってもそこにいるだけでも面白い。絶対領域がおもしろい。
 
真面目な話をすると。
今回珍しく捨に協力的ではない鴈鉄斎でしたが、無界を襲撃する天と蘭を見て動揺している様子を見ると、彼自身立ち位置を選ぶのであれば捨之介の側であり、フツーに正義側の心を持つ人なんでしょうね。
今回は特に、捨はひとりぼっちのようにも思えてしまったので、仲良い友人みたく接している鴈鉄斎の存在に心を救われました。
どんなシーンでもガンガンネタをしこむなるし〜さんが、鳥を観てる時の楽しい!という気持ちを加速させてくれました。
捨と対等な立場っていうのも珍しい味付けだったので、またこういうおもしろおじさんコーナーも観てみたいな。
 
【小吉】
後半の暴走ぶりをもう少し早く見たかった…!という気持ちがあります。
最初はちょっとキャラ変更についていけなかったんですが、やっぱり小吉が七人目だとわかるシーンは音楽もあいまってゲキアツですよね。
 
まだ思い出したらいろいろ追記します。
風めっちゃ楽しみなんですけど、むかいりの小顔お蘭兵衛さん見るとなるとオペラグラスだけじゃなくて顕微鏡も必要ですかね。

清澄九郎の話をさせてほしいという話

 
 
 アイドルマスターsideMを普段お楽しみのプロデューサーのみなさま、おはようございます、こんにちは、こんばんは。しがない一人のプロデューサーです。
 さて、8月17日を持って、いよいよゲーム内では第二回総選挙が開始となりました。既にお気に入りの子に投票したよ!という方もたくさんいらっしゃると思います。やっぱり担当に投票した際に掛けてもらえる一声は、プロデューサーとして背筋が伸びるものですね。担当とこれからも頑張っていこう、という気持ちにさせてもらえます。
 
 というわけで、本日はそんなウチの事務所での担当アイドル「清澄九郎」
 

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 についてのお話をさせてください。
 
 いわゆるプレゼンの心づもりで書きはじめたら、ラブレターのごとしに……成り果てたのですが……まあ担当アイドルってそういうものじゃないですか?清澄九郎について、話をさせてください。というかします。
 
 よろしくお願いします。
 
 
■最初に
 
 ここでお話する清澄九郎については、ただ一人の清澄九郎担当P視点から語られる「清澄九郎」です。
 
 アイドルマスターsideMはソーシャルゲームです。ソーシャルゲームに登場するキャラクタというのは、他の媒体に比べて多角的な面を持つ子が多いものだと、私は感じています。清澄もその例には漏れません。わたしが捉えている清澄九郎、とはほんの一面に過ぎず、たくさんの清澄九郎が、それこそPの数だけ存在しています。
 どのテキストにどんな気持ちを感じ取って、そのキャラだと思うか、それは人によって千差万別です。「この清澄九郎はうちのプロデュースしている清澄九郎ではない」とおっしゃるかたも、たくさんいて当然なのだと思います。
 
 これが単なる一意見から見た、いわゆる「うちの事務所に所属している清澄九郎」でしかないということを理解したうえで、読んでいただければ幸いです。
 
 
■清澄九郎とは?
 
まずは、ゲーム内履歴書で見ることのできるプロフィールから見ていきましょう。
 
氏名:清澄 九郎(19歳 7月3日生まれ 蟹座) 
血液型:A型 利き手:右 出身:鎌倉   
 
身長:178.0cm 体重:67.0kg   
靴のサイズ:26.5cm 属性:メンタル
趣味:いろいろな入浴剤収集
特技:競技かるた 投扇興
 
アイドルを志望した理由:茶と湯と和の心を、私を通じて世に広められればと思いまして…。
座右の銘:痛みなくして得るものはなし。
未来に向けた決意コメント:茶の湯を世に広めるためには、新しい手段を取ることも必要…そう考えてアイドルになりました。私の目には新奇に見えることにも、まずは一歩、足を踏み入れてみたいと思います。
 
 
 清澄九郎は、元茶道家のアイドルです(とはいえ、完全にやめたわけではないようです)。茶道の世界が若者や世間に広がっていかないということに憂いを感じ、その素晴らしさをもっと多くの人に伝えるため、自分にとって未知であるアイドルの世界に飛びこみました。
 年齢は19。身長体重は315プロのアイドルにしてはちょっと重ためかな(周りが細すぎるだけですよ!)。趣味は入用剤収集。お風呂が大好きなようで、お仕事で温泉にむかった時はたいそう浮かれておりました。雑誌でのお風呂サービスに恵まれた子でもあります。いるのかなそのサービス……いるのかな……いる?わかった…清澄がそう言うなら…これからも続けてこう…。
 
 ステータスはVi寄りのバランス型ですが、Daが非常に弱く、ほぼ最下位を争っています。
 この履歴書プロフィールだけでも、雅な趣ある、真面目で礼儀正しい青年だ。……ということが読み取れるのではないでしょうか?
 
 
■彩とは?
 
 清澄九郎の所属するユニット「彩(さい)」は、日本伝統を重んじる、和の心を持った三人組ユニットです。
 清澄以外のメンバーは元落語家の「猫柳キリオ」、元歌舞伎役者の「華村翔真」。この二人もとっても素敵なキャラクターで、できれば紹介したかったのですが、今回はざっくりと……。
 キリオは陰では努力を怠らない天才肌の切れ者でありながら、普段の姿は天真爛漫でマイペース。華村も情熱と芸への誇りの人間ながら、普段は飄々とした立ち振る舞いでキリオと遊んだり、あるいは清澄「で」遊んだり。ので、清澄はしょっちゅう振り回され、彼らを叱りつけ「鬼のよう」と揶揄されることも。ふわわ〜んとした二人のお尻を清澄がぺちぺちして進んでゆくユニット。それが彩の日常と言えましょう。
 
 一方で、彩の三人は芸事に関しては真剣です。自分たちがなまじ芸の世界に生きていたがために、その土俵がアイドルに変わろうと、彼らの真剣さに揺るぎはありません。そういった時、既に舞台に立ち慣れている華村やキリオが、経験の浅い清澄を引っ張ってゆくこともあり、つまるところ彩は、三人の珍妙でにぎやかな日常をたのしみつつ、ひとたび舞台に立てば真摯な芸事の申し子としての一面を見ることができる。そんなギャップがオススメなユニットなんです。
  
 
■清澄九郎の魅力
 
 それでは、ここいらで本題に入りたいと思います。
 ずばり。私は清澄九郎のどこに惹かれて、担当Pを名乗るに相成ったのか?という部分です。
 ここまでの説明から読み取れる清澄九郎って、正直言って「真面目な苦労人」といった感じなのではないでしょうか?
 
 合ってます。
 実際清澄は初期から「苦労さん」と呼ばれることも多く、また、比較的メンタルの強い子たちが多いメンタル属性からは浮いていると見られがちで「インテリでは?」との声もたびたび見ます。
 清澄は生真面目な苦労人です。それは間違いありません。
 
 では、ここでプロフィールの座右の銘をご覧ください。
 
座右の銘    痛みなくして得るものはなし。」
 
 ん??????
 んんんんん????????
 
 もしかして……メンタル……………なのでは???????
 あの儚げな表情、プロフィールから出てくる十九歳和風男子の座右の銘が、これ???
 そんな……まさか……メンタルなのでは……?????
 
 次にこちらをご覧ください。
 

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 完敗を認めながらも次は負けないと言ってのけるとは?


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 あっっっっすごいっすごいすごいっなんかすごいこと言ってるこの子!!!
 
 メンタルだ!!!!!!!!!???????????????
 
 ……つまり、これこそが私が清澄九郎にヤラれた原因。
 彼の内側にひそんでいた「強さ」との邂逅。
 
 いや、いやいや、強くはないんです。清澄九郎は強くはありません。うまく踊れずに悩み根を詰めることも、はじめてのドラマ主演に思い悩み仲間に励まされることもあります。そういうところはとても、年頃の19歳なんです。
 一方で、清澄は転んでもまた立ち上がる強さを持っている。清澄は自分が弱いということを十分に自覚したうえで、「痛みなければ得るものはない」と座右の銘にて表明しているんです。転んでも転んでも起き上がってやる、そして新しいものをつかみ取ってやる、それが清澄の持つ、他のアイドルとは少しちがった「強さ」。
 
 強さと言っても、清澄の強さとは、強固さ、ではないんですよ。
 茶道家時代の清澄はまわりに対して意見を言うことも出来ず(通常雑誌をご参照ください)、頭も固かった。彼の性格も、人よりむしろ弱い側のものですらあったのでは、と思っています。今も彼自身は、強くありません。傷つくし落ち込むし緊張に震えるし、基本的にはおっとりとした部分を持つたおやかな青年なのだと思います。
 一方で、前の彼とは違うこと。もう、一人ではない。二人の頼れる仲間がいること。清澄はこの二人の仲間を何よりも信頼しているんです。そんな二人と一緒にいるから、きっと清澄は何度でも起き上がって、立ち上がって、苦手なことに躊躇わず取り組もうと動くことが出来る。「まずはやってみる」の姿勢を確固たるものにできたのだと思います。その姿は、あまりスタイリッシュなものには見えません。というか、不器用です。
 けれども、すっごく「カッコイイ」と感じるんです。
 
 清澄のような涼やかな顔をした青年が、何度も転んで起き上がって、泥にまみれてでもトップを掴むその瞬間を見てみたい。そう思ったとき、私は清澄九郎担当Pになっていました。
 これが私の感じる「うちの事務所の清澄九郎」の長所のおはなしです。
 
 
■清澄九郎の歩み
 
「納涼肝試しガシャ」
期間:2014/08/28 ~ 2014/09/09
R:【肝試し】清澄九郎
 

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 美人と男前のハイブリットな顔立ちだと思うんですよ。思うんです。

 
 彩、はじめてのガシャ登場。SRは猫柳キリオ。色々な事情もあり、彩Pのなかには苦い思い出があるという方も多いかもしれませんね。
 しかし、お化けが苦手だというのに頑張ってお化けを学ぶ清澄の姿はとってもいじらしく、応援したくなりますし、鬼にチェンジした清澄は妖艶で格好よくって、しかし上品さも出ていて……十九歳の清澄九郎だから出る色気のように思えて、個人的には一番好きなR+です。
 
 
「彩り温泉旅行記」
期間:2015/01/20 〜 2015/01/31
R:【彩り温泉】清澄九郎
 

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 そう?そうなの?清澄が言うならそうなんだろうな…わかった…ラケット持つね…。
 
 なが〜〜く焦らされてやっと一月に旅立たせてもらえた温泉旅行。その待たされた期間を「チャラにしていい」と思えるような、素晴らしいイベントでした。是非とも彩に興味を持っていただけたなら、イベントアルバムでこの寸劇だけでも見てやってください。華村を中心に据えつつも、それぞれ三人のいいところや、関係性がぎゅっと詰まった素晴らしいイベントなんです。
 温泉イベントでとっても好きな部分は、清澄が「華村さんは私たちと一緒に仕事をしたくないのでは?」と思い悩むシーン。私が清澄九郎を本格的に「担当アイドルだ」と認識した瞬間は、このシーンでした。
 この悩みに対して彼が取った行動は、悩まず即座に猫柳に相談し、そののち華村にも直接聞く、ということです。
 隠しごとには向かない性分だからって、「一緒に仕事したくないんじゃ?」を即座に聞けるの、凄くないですか?彼のちょっとズレた部分と、からっとした部分が見えて、とても印象的でした。
 
 
「彩華西遊記
期間:2015/02/28 ~ 2015/03/10
SR【遙かなる天竺】清澄九郎
 

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 二人がついていてくれるということが清澄にとって、一番大切なことなんですよ。素敵だね。あとめっちゃ光ってるね。

 

 待ちに待った清澄九郎、初めてのSRです1
 西遊記のドラマ撮影ということで、ドラマ????ドラマって彩…めっちゃ出世してない!!!???その主役が清澄!?役者の姐さんじゃなくて!?そんなPの一抹の不安を拭い去ってくれたイベント。
 このイベントにて、清澄は自身の未熟さという壁にぶつかります。
 けれども、清澄が強くあるために必要なものが、清澄にはもう、備わっているんです。
 
 それが仲間。
 清澄は彩というすばらしい仲間を得ていて、彼らに必要なときすっと頼れる柔軟さを持ち合わせています(人にすっと頼れるって、意外とむずかしいことだと思うんですよ)。そんな清澄に、頼れる良い仲間がいる。だから、どんな困難にあっても大丈夫。きっと乗り越えてくれる。そう思わせてくれたイベントでした。
 
 
「パネルクイズタックル9」
期間: 2015/05/08 ~ 2015/05/15
R【クイズ大会】清澄九郎
 

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 清澄に「必ずやり遂げます!」と言われたら「おう行ってこいや!」と言えるPになり始めた。

 
 めぐりめぐってSR猫柳キリオ再び。
 今回は神速一魂と一緒にテレビのクイズ番組出演。う〜〜んやはり彩…出世している……。
 このイベ、イベント自体もすごく素敵なんですけれど、増刊号がまた、担当Pとしてはグッとくるので、よろしければ読んでみてください。
 クイズ番組の勉強を通して、茶道に関わる用語が馴染みの無いものだと思い知った清澄が、しかし、猫柳と華村に「ならばお前が茶道を広めていけばいいんだよ」と背中を押してもらい、決意を新たにする。というお話。若さゆえの猪突猛進さで芸能界へ飛び込んでいた彼ですが、案外、その目的が達成される日は近いのかもしれません。
 いつか清澄が、武道館でサイリウムの海に包まれながらお茶点てるとこをお見せできるPに、私はなりたい。
 

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 どうしてこの子の「頑張ります」はこんなに頼もしいんだろう。
 
 清澄のまっすぐさがよくわかり、担当としても、う〜んうちの担当は面白くって格好いい!と胸を張れるイベでありました。
 
 
「風雅演舞際」
期間:2015/07/08 ~ 2015/07/15
R:【演舞際】清澄九郎
 

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 こんなこと言われたら見届けるぞ!って言うしかないんだよ担当Pは。

 
 久しぶりの!そして待ちに待った三人そろい踏みのライブイベント!SRは舞台に凛と立つ華村翔真さん。
 神速一魂と共にライブを行うことになった彩。しかし、清澄は苦手なダンスが華村・猫柳に遅れをとってしまっている、ということに思い悩み、根を詰めます。清澄は「自分が出来ない」ことに対して、頑張らないと気が済まない子なんです。このイベントの清澄は、とても十九歳の男子らしかったな、と思います。
 そうやって思い悩む、なまなましいところを見せたあと、吹っ切れて頑張ってくれたことに私はとても誇りを感じます。強くない清澄だからこそ、強くあろうとするところを私は応援したい。頑張ろうね。
 あと和服…いいよね……美青年だよね…すごく……。雑誌で投扇興を披露してくれたのも嬉しかったり……。
 
 
■最後に
 
 と、随分長々と語ってしまいましたが。これにて私という一介のPによる「清澄九郎」の話を終わらせていただきます。本当はもっともっとたくさんの魅力があるのですが、それはみなさまに探していただいて、みなさまだけの清澄九郎を見つけ出していただければ……そう、思うのです。
 この拙文が、少しでも清澄九郎とプロデューサーさんへの架け橋になってくれたのならば、こんなに嬉しいことはございません。
 
 最後に、清澄からの総選挙台詞によって、締めとさせていただこうかと思います。
 

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 清澄、トップの景色見ようね!!!!!!!!!11
 
 
 2015年8月17日 某 清澄九郎担当Pより
 
 
 
 
 
 
 
 
■おまけ
 
 せっかく清澄には素敵な台詞がたくさんあるのに、スクリーンショットが手元にないという自分の落ち度。悔しさにくちびるを噛みつつ、清澄のTM(ちょっと・メンタル)な台詞を集めてみたものを、こちらにも。
 

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 どう?TM(ちょっと・メンタル)でしょう?Wikiを覗いてみたり、カードをイチオシに置いてみたり、イベントアルバムや雑誌を見てみたりして、それで、よければ清澄九郎に「清き」一票、よろしくおねがいしますね。
 今度こそ終わります。ありがとうございました。